
この記事は、下記について解説しています。
・RAW画像を現像する具体的なやり方、方法が知りたい!
現像の方法の1つ、「カーブ」ツールのハイライトの具体的な補正方法と補正例を解説しています。
・RAW画像とJPEG画像の具体的な違い、差が知りたい!
「RAW画像」と「JPEG画像」のサンプル画像を使って比較しています。
そして、明確な違い、差を解説しています。
RAW画像の現像に挑戦して良い写真、伝わる写真にしたい未経験者の方や初心者の方に向けた記事です。
本記事の内容
・RAW画像【現像のやり方「カーブ」ダークの使い方と補正例】
・「JPEG画像」と「RAW現像した画像」とを比較し、明確な違い、差を解説をしています。


RAW画像【現像のやり方「カーブ」ダークの使い方と補正例】
下記のRAW画像を使って、RAW画像の現像機能の1つ「カーブ」ツールの<ダーク>の使い方と補正例を解説します。
「カーブ」ツールの<ダーク>の解説で使用するRAW画像


「カーブ」ツールの<ダーク>の解説で使用する画像は上記を選びました。
11月下旬の昼頃に撮影した写真です。
上記の画像は現像アプリで開いただけの状態のRAW画像です。
RAW画像【現像のやり方「カーブ」ダークとは?】
「カーブ」ツールの<ダーク>について解説します。
「カーブ」とは
「カーブ」とは、「トーンカーブ」のことです。
「トーンカーブ」は、画像の色調を決める明部〜暗部の階調を調整するツールです。
階調とは、明部〜暗部の明るさ・暗さが変化する段階のことで、階調が豊富であるほど滑らかで美しい色調を再現することができます。
「トーンカーブ」は色調補正の基礎となっている重要なツールです。
ですので、他の色調補正ツールの機能、効果は「トーンカーブ」だけでほぼ実現できてしまいます。
そして、高度な色調補正、また緻密で繊細な色調補正は「トーンカーブ」でなければ実現できません。
おそらく、すべての現像ソフト、色調補正機能を持つ画像編集ソフト、また高度な色調の調整、管理が可能なプリンターなどの出力機器に共通して装備されている唯一のツールです。
「トーンカーブ」とは下記のツールです。(「CameraRaw」の「カーブ」ツールのパネルです。)


四角いグラフ、マスの中に、左下から右上に向かって、斜め45度の対角線が伸びています。
これが、「トーンカーブ」です。
この「トーンカーブ」を動かすことで画像の色調を補正・調整することができます。
<ダーク>とは
ほどんどの写真、画像に写っている被写体、映像は、明部〜暗部の階調の変化によって再現されています。
その明部〜暗部の範囲の中の真ん中である中間部〜暗部の間の範囲を<ダーク>といいます。
上記の「トーンカーブ」の図、赤ワクで囲んだ箇所は、本稿で解説する<ダーク>を補正・調整するツールの1つです。
現像のやり方【「カーブ」ハイライトの解説で使用する現像アプリ(ソフト)】
本稿の「カーブ」ダークの使い方の解説は、Adobe社の「Photoshop」を使っています。
「Photoshop」は、RAW画像の現像機能を持つ「CameraRaw」を搭載しています。
Adobe社には「CameraRaw」以外に、現像専用のアプリ(ソフト)「Lightroom」をリリースしています。
「Lightroom」は最も有名な現像アプリ(ソフト)ですが、「CameraRaw」は「Lightroom」と同じ機能、同じ現像エンジンを装備しています。
ですので、「CameraRaw」と「Lightroom」での現像は、同じ結果になります。
どちらも、非常に多くのユーザーから信頼され、アマチュアの初心者の方から業界のプロフェッショナルまで、幅広く支持されているアプリ(ソフト)です。
本稿では「CameraRaw」を使って解説しますが、「Lightroom」でも使い方は同じになります。
RAW現像【CameraRaw「カーブ」ダークの使い方と補正例】
下記の画像は、「カーブ」ダークの解説で使用するRAW画像を「CameraRaw」で開いたときの操作画面です。
「CameraRaw」の操作画面


本稿では、上記の操作画面、右側の赤ワクで囲まれている「カーブ」のダークについて解説します。
赤ワクで囲まれた「カーブ」と<ダーク>のスライダー


RAW現像【CameraRaw「カーブ」ダークの使い方】
「カーブ」ダーク【補正・調整の方法】
「カーブ」のダークの補正・調整の方法は3つあります。
下記の2つの「カーブ」の図を使って、順に解説します。
どちらも「カーブ」の図ですが、解説の都合で2つの図を並べています。
① 下記の「カーブ」の図、赤ワクで囲んだ箇所が<ダーク>を補正・調整するスライダーです。
スライダーは、中央の三角をクリックしたまま、左側の図の緑の矢印のように左右へ動かすだけで、簡単に明るさ/暗さを補正・調整することができます。
② 左側の図、<ダーク>スライダーの青ワク内に「0」と入力されていますが、この入力欄に数値入力することで補正・調整ができます。
③ グラフ内にマウスを合わせるとトーンカーブ上にポイントが表れます。(右側の図の緑丸)
<ダーク>の調整したい範囲にポイントが表われるようにマウスを合わせてください。
上下にドラッグ(クリックしたままマウスを動かす)すると、表れたポイントと連動してトーンカーブも動いて補正・調整することができます。
トーンカーブで補正・調整すると、連動して①で解説したスライダーと②で解説した入力欄の数値も連動し補正・調整が反映されます。
(右側の図の黄の矢印で示したところ)


上記で解説した補正・調整の方法3つをまとめてみます。
「カーブ」<ダーク>補正・調整の方法のまとめ
① <ダーク>スライダー中央にある三角をクリックしたまま左右に動かして補正・調整する方法
② <ダーク>スライダー右上の入力欄に、目標の数値を入力して補正・調整する方法
③「カーブ」 のグラフ内にマウスを合わせてトーンカーブ上にポイントを作り、<ダーク>の範囲をクリックしたまま上下にドラッグして補正・調整する方法
画像内の<ダーク>を【簡単に確認できる方法】と【簡単に補正できる方法】
「パラメトリックカーブ ターゲット調整ツール」を使うと、簡単に画像内の<ダーク>の箇所を確認できて、ダークの範囲を簡単に補正することができます。
下記の記事で解説しています。


RAW現像【CameraRaw「カーブ」ダークの補正例を解説】の 解説画像の説明
下記の画像の右上の図は「カーブ」の図で、画像の補正の状態を示しています。
画像は、この「カーブ」の補正を反映した色調になっています。
例えば、下記の「カーブ」の図は [トーンカーブ ] [ ダークのスライダー ] [ 数値 ] も無補正の状態です。
ですので、画像もそれを反映した無補正の色調になっています。
右上の図「カーブ」の補正が反映された画像


RAW現像【CameraRaw「カーブ」ダークの補正例を解説】
下記の画像を使って「カーブ」ダークの補正例を解説します。
「カーブ」ダークの解説で使用するRAW画像


画像の補正例のパターン
「カーブ」ダークの調整値は最小値 [ -100 ] 〜 最大値 [ +100 ] で、調整範囲は通常 [ 75 ] です。
補正例の解説では、調整範囲は通常の [ 25 ] 〜 [ 50 ] とし、調整値は [ -80 ] と [ +80 ]の2通りの画像を使って、各画像の解説をしています。
色調を比較する、画像のチェックポイント
<ダーク>とは、明部〜暗部の中間部あたりから暗部の範囲です。
補正例で使用している画像の<ダーク>のチェックポイントは下記の箇所です。
画像の<ダーク>チェックポイント
・滝が流れている岩場
・滝が流れている岩場の周囲
・暗部
上記の画像の<ダーク>チェックポイントに注目して「無補正の画像」と比較すると、「無補正の画像」より明るく淡く、または、暗く濃い方向へ、どれくらい変化しているかがわかります。
比較しやすくするため、「無補正の画像」を各補正例の画像のすぐ下に配置しています。
補正例1:ダーク調整値 [ -80 ] / 調整範囲 [ 通常 ]
補正例1:画像の色調の変化
調整値は [ -80 ] なので、<ダーク>の範囲の色調は、かなり暗く濃い方向へ変化しています。
調整範囲は通常の [ 25 ] 〜 [ 50 ] ですが、<ダーク>の範囲よりも広い中間部より明るいところ〜最暗部のシャドウの範囲まで、暗く濃く変化しています。
最暗部のシャドウは真っ黒くつぶれています。
「無補正の画像」と比較すると、暗く濃い方向へ変化していることが確認できます。
補正例1の画像


無補正の画像


補正例1:「トーンカーブ」と「スライダー」の状態
調整値は [ -80 ] なので、トーンカーブの中央から左下の方、<ダーク>に当たる範囲が下の方へカーブしています。
調整範囲は通常の [ 25 ] 〜 [ 50 ] ですが、<ダーク>の範囲よりも広い中間部より明るいところ〜最暗部のシャドウの範囲まで、トーンカーブは下方へ変化しています。
スライダーは、調整値 [ -80 ] 相当量分、左の方へ動いています。
補正例2:ダーク調整値 [ +80 ] / 調整範囲 [ 通常 ]
補正例2:画像の色調の変化
調整値は [ +80 ] なので、<ハイライト>の範囲の色調は、明るく淡い方向へ変化しています。
調整範囲は通常の [ 25 ] 〜 [ 50 ] ですが、<ダーク>の範囲よりも広い中間部より明るいところ〜最暗部のシャドウの範囲まで、明るく淡い方向へ変化しています。
「無補正の画像」と比較すると、明るく淡い方向へ変化していることが確認できます。
補正例2の画像


無補正の画像


補正例2:「トーンカーブ」と「スライダー」の状態
調整値は [ +80 ] なので、トーンカーブの中央から左下の方、<ダーク>に当たる範囲が上の方へカーブしています。
調整範囲は通常の [ 25 ] 〜 [ 50 ] ですが、<ダーク>の範囲よりも広い中間部より明るいところ〜最暗部のシャドウの範囲まで、トーンカーブは上方へ変化しています。
スライダーは、調整値 [ +80 ] 相当量分、右の方へ動いています。
「カーブ」ダーク編【「カメラのJPEG」と「RAW現像のJPEG」との比較】
「カーブ」ダークの解説で使用した同カットの「カメラのJPEG画像」と「RAW現像のJPEG画像」の再現力を比較しています。
下記の2点の画像は、上が「カメラのJPEG画像」で、下が「RAW現像のJPEG画像」です。
下の「RAW現像のJPEG画像」は、RAW画像が保持している色調情報を引き出すことを軸にした現像、色調補正を行なっています。
それ以外の処理等は行なっていません。
これほど、差がつく「RAW」と「JPEG」
カメラのJPEG画像


RAW現像のJPEG画像


11月下旬のお昼頃に撮影した写真です。
上の「カメラのJPEG画像」は、カメラのJPEG画像の割に再現できている画像だと思います。
ただ、暗部(シャドウ)はほぼつぶれてしまっています。
ここまで、暗部が黒く引き締まっているのに、彩度が低いところが気になります。
ですので、上から陽が射す感じが弱く、少し臨場感が不足気味だと思います。
下の「RAW現像のJPEG画像」は、白い滝のすじがしっかり再現できています。
暗部(シャドウ)は、つぶれていないけど、見え過ぎないギリギリのところまで黒く引き締めています。
上から陽が射している様子、植物や濡れた岩に光が当たって明るく反射している様子、濡れた岩の表情も再現されています。
「カメラのJPEG画像」より臨場感を感じます。
今回の画像は、白い滝のすじ、暗部(シャドウ)のつぶれの改善は、「カメラのJPEG画像」からでは「RAW現像のJPEG画像」までの再現はできません。
どこまでこだわりたいのかにもよりますが、少なくとも、より伝わる写真にするためにはRAW画像から完成を目指すことをおすすめします。
RAW画像には豊富な色調情報が保持されていますので、JPEG画像より出したい表情を再現できるポテンシャルを持っています。
伝えたい写真や保管しておきたい写真は、RAW画像の方が圧倒的に有利です。
まとめ
RAW画像の現像のやり方、具体的な方法を「Photoshop」の現像機能「CameraRaw」を使って解説しました。
今回は、現像ツールの「カーブ」、<ダーク>の機能、使い方を、補正例の画像を使って、各画像の解説をしました。
また、現像ツール「カーブ」の<ダーク>の解説で使用したRAW画像を「現像したJPEG画像」と同カットの「カメラのJPEG画像」とを比較し、RAW画像の再現力の高さ、「カメラのJPEG画像」との違い、差を解説しました。
『これほど、差がつく「RAW」と「JPEG」』で画像の比較と解説をした通り、その差は歴然です。
ぜひ、RAW画像から現像した写真、画像制作に挑戦してみてください。
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