RAW現像【「トーンカーブ」の編集が簡単なツール[ライト編]】

RAW現像【「トーンカーブ」の編集が簡単なツール[ライト編]】

本稿では、色調補正ツールの頂点、最強のツール「トーンカーブ」が簡単に使えるツールと使い方をご紹介します。

RAW現像【「トーンカーブ」でこれだけ差がつくJPEGとの比較】

上の画像は「RAWを現像した画像」、下の画像は「カメラのJPEG画像」です。

上の「RAWを現像した画像」は、現像時に「トーンカーブ」のみを使用しています。

RAW画像からは、特に空と雲の階調、尾根や岩の階調、そして、画像全体のメリハリなどの調整、補正が可能です。

RAW現像【CameraRaw「パラメトリックカーブターゲット調整ツール」ライト編】

この記事では、『パラメトリックカーブターゲット調整ツール』を使った「ハイライト」の補正方法を、下記の画像を使って解説します。

ライトとは？

ライトとは、画像の中の＜明部＞〜＜明部と暗部の中間くらい濃さ＞の範囲を指します。

ハイライトの次に、濃い暗い範囲という認識でいいと思います。

下記の画像ですと、＜岩の少し濃いところ＞、＜緑の明るいところ＞が「ライト」の範囲です。

画像内の「ライト」の箇所がわかる簡単な方法

「ハイライト」が決まると、その次に濃い暗い箇所が「ライト」です。

「ハイライト」と同様に、画像内の「ライト」の箇所も確認しながら補正を行なう必要があります。

とはいえ、補正を始めたばかりの頃はどこが「ライト」なのか、なかなか判りづらいと思います。

『パラメトリックカーブターゲット調整ツール』は、「ライト」の箇所も簡単に確認することができます。

確認の仕方は、画像の任意の箇所にマウスを合わせるだけで「ライト」の表示が表れて教えてくれます。

ですので、始めたばかりの方でも簡単に「ライト」の箇所の確認ができます。

この機能は、始めたばかりの方にとって非常に便利な機能です。

そして、『パラメトリックカーブターゲット調整ツール』は、補正の仕方も始めたばかりの方にとって非常に簡単です。

下記では、その手順を解説していきます。

CameraRaw「パラメトリックカーブターゲット調整ツール」で＜ライト＞を補正する手順

下記で解説する手順は、別の範囲の「ハイライト」・「ダーク」・「シャドウ」も同じです。

補正する範囲のみが異なります。

ですので、別の範囲の手順をすでに読まれている方は、『「ライト」を補正するときの目安』の手前まで読み飛ばしてください。

本稿から読まれる方は、このまま読み進めていただければと思います。

『パラメトリックカーブターゲット調整ツール』を使う準備

[１] 「Photoshop」を起動します。

[２] 現像したいRAW画像を「Photoshop」で開きます。

すると、下記のような「CameraRaw」の操作画面が表れます。

操作画面の右の列、赤い矢印の先、赤丸で囲んだ「 ＞ 」 をクリックします。

クリックすると、下記の画像のように「カーブ」のパネルが表れます。

以上で、『パラメトリックカーブターゲット調整ツール』を使う準備ができました。

『パラメトリックカーブターゲット調整ツール』の使い方【ライトの補正】

次は、下記の画像を使って「ライト」の補正、手順 [３]から解説していきます。

使い方は非常に簡単です。

[３] 上記の画像、❶の矢印「パラメトリックカーブターゲット調整ツール」アイコンをクリックします。

[４] すると、❷ の「パラメトリックカーブターゲット調整ツール」のツールボックスが表示されます。

[５] 画像内の「ライト」と思われるポイントにマウスのポインターをおきます。

画像内のハイライトの次に濃くて暗いと思われる箇所に、適当にマウスをおいてみましょう。

[６] マウスをおいた箇所が「ライト」であれば、上記の画像の❸のように [ ライト ] と表示されます。

[７] マウスをおいた箇所の明るさ・暗さの濃度が、❹のようにトーンカーブ上にポイント（緑丸内）として表示されます。

このポイントをクリックしたまま、上下に動かして補正します。

上へ動かすと「ライト」は淡く明るくなり白い方向へ、下へ動かすと「ライト」は濃く暗くなりグレー方向へ変化します。

[８] [７]の手順の補正は、 ❺のように「ライト」のスライダー入力欄（緑の四角）の数値とスライダーの動きに連動しています。

また、スライダー入力欄（緑の四角）への数値入力、もしくはスライダーを左右に動かすことで補正することもできます。

数値入力は、最小値「ー100」〜最大値「+100」の間の数値を入力します。

最小値「ー100」方向は暗くなり、最大値「+100」方向は明るくなります。

スライダーは、左方向が「ー100」方向で暗くなり、右方向が「+100」方向で明るくなります。

その場合も、手順 [７] のトーンカーブに連動します。

画像内をドラッグして補正する方法

上記で解説した補正の方法より、こちらの方が補正の仕方は簡単かも知れません。

画像の中の「ライト」の箇所が判ったら、その箇所を左右にドラッグすると、その箇所と同じ範囲の「ライト」を補正できます。

下記の画像、赤の楕円の中、緑丸の箇所は「ライト」です。

その箇所でマウスをクリックしたまま左右に動かす（ドラッグする）と、左に◉（左の青丸の中）、右に◯（右の青丸の中）、中央に◎（中央の緑丸の中）が表れます。

これらは、スライダーになっていて、中央の◎をドラッグして補正することができます。

左の「◉」方向へ動かすと、「ライト」は濃く暗くなりグレー方向へ変化します。

右の「◯」方向へ動かすと、「ライト」は淡く明るくなり白い方向へ変化します。

この補正に連動して、右のトーンカーブ上に自動でポイントができて（緑丸）カーブが動き、「ライト」のスライダー（緑の矢印と丸）も動いて、数値入力欄（緑の四角のワク）にも自動で数値入力されます。

「ライト」を補正するときの目安

「ライト」を補正するときの目安は、下記の点に気を付けてください。

① 「ハイライト」より濃く暗くなることが基本です

② 画像全体の明るさ・暗さの影響が強い範囲ですので注意しましょう

③ 画像全体の色味に強く影響する範囲ですので注意しましょう

「ライト」補正の目安、３点の解説

①：「ハイライト」より濃く暗くなることが基本なのですが、「ハイライト」より少し濃く暗い範囲まで明るくなり過ぎてしまうと、明部の階調が見えなくなりやすいの注意してください。

②：「ライト」の範囲は、画像全体の明るさ・暗さの変化に大きく影響する範囲ですので注意しましょう。

③：「ライト」の範囲は、画像全体の色味に大きく影響する範囲ですので注意しましょう。

上記の３点に注意して補正してみましょう。

まとめ

RAW現像の編集を『Photoshop』の現像機能「CameraRaw」、「パラメトリックカーブターゲット調整ツール」を使って＜ライト＞の範囲の補正の方法を解説しました。

このツールは、通常の「トーンカーブ」ツールより使い方の難易度はかなり低くなっていて、とてもわかりやすく取り組みやすいと思います。

＜ライト＞の範囲の色調は、画像全体の色味、明るさや暗さに大きく影響します。

ですので、＜ライト＞を補正するときの基本的な目安を解説しました。

今後、もし最高レベルのクオリティーを目指すとしたら、「トーンカーブ」の修得は必須になります。

なぜなら、高度な補正、緻密で繊細な補正は「トーンカーブ」でなければ実現できないからです。

『Photoshop』の現像機能「CameraRaw」の「パラメトリックカーブターゲット調整ツール」は、その入門編として、とても簡単で取り組みやすいと思います。

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