この記事は、下記について解説しています。
・RAW画像の現像の具体的なやり方、方法を知りたい
現像での「自然な彩度」と「彩度」の調整方法、また補正例を解説しています。
・RAW画像とJPEG画像は、品質、画質が違うって本当？
「自然な彩度」「彩度」の解説で使用した画像で、
「RAW現像のJPEG画像」と「カメラのJPEG画像」との比較、再現力の違いを解説しています。
RAW画像の現像に挑戦したい未経験者の方や初心者の方に向けた記事です。
本記事の内容
・RAW画像【現像のやり方「自然な彩度」「彩度」の使い方と補正例】
・「自然な彩度」「彩度」の解説で使用した画像を使って
「カメラのJPEG画像」と「RAW現像のJPEG画像」との比較
RAW画像【現像のやり方「自然な彩度」「彩度」の使い方と補正例】
下記のRAW画像を使って、RAW画像の現像「自然な彩度」「彩度」の使い方と補正例を解説します。
「自然な彩度」「彩度」の解説で使用するRAW画像
９月下旬の夕方に撮影した写真です。
この画像は開いたままのRAW画像です。
RAW画像【現像のやり方「自然な彩度」「彩度」とは？】
「自然な彩度/彩度」は、色をあざやかにしたり、くすませたりするツールです。
「自然な彩度」と「彩度」の効果に合った使い分けは、
「自然な彩度」は、彩度、あざやかさが不足している色をメインに彩度、あざやかさを高くしますが、誇張し過ぎないようにしたいときに適しています。
また、彩度、あざやかさを低くする方向の最小値では、色味を残したモノトーンのようになります。
「彩度」は、彩度、あざやかさを高くして誇張したビビットな発色にしたいときに適しています。
また、彩度、あざやかさを低くする方向の最小値では、完全にモノトーンになります。
現像のやり方【「自然な彩度」「彩度」の解説で使用する現像アプリ（ソフト）】
本稿の解説で使用する現像アプリ（ソフト）は、「Photoshop」の現像機能「CameraRaw」を使って解説します。
「CameraRaw」と同じ開発・販売元のAdobe社には、もう1つ「Lightroom」という現像アプリ（ソフト）があります。
こちらも、アマからプロの方まで、非常に多くのユーザーに支持されていて実績のあるアプリ（ソフト）です。
「CameraRaw」と「Lightroom」の機能と現像エンジンは同じものを搭載しています。
ですので、現像した結果は同じになります。
ここでの解説は「Lightroom」でも同様です。
RAW現像【CameraRaw「自然な彩度」「彩度」の使い方と補正例】
下記は、「自然な彩度」「彩度」の解説で使用するRAW画像を「CameraRaw」で開いたときの操作画面です。
「CameraRaw」の操作画面
上記の操作画面、右側の赤ワクで囲まれている「自然な彩度」「彩度」を解説します。
赤ワクで囲まれた「自然な彩度」「彩度」の調整スライダー
RAW現像【CameraRaw「自然な彩度」「彩度」の使い方】
「自然な彩度」と「彩度」は、彩度を高く色をあざやかにしたり、彩度を低く色をくすませたりするツールです。
調整の仕方は、下記の２通りあります。
・中央の三角のスライダーを左右に動かして調整する
・右上の「0」の数値のところに、調整したい数値を入力して調整する
中央の三角のスライダーを、左←に動かすと彩度が低くなって色がくすみ、右→に動かすと彩度が高くなって色があざやかになります。
数値の入力は、最小 [-100] 〜 最大[+100] の間で調整します。
[-100] 方向は色がくすみ、[+100] 方向は色があざやかになります。
・「スライダーを左← / 数値 [-100] 方向 へ調整 = 彩度が低くなって色がくすみます」
・「スライダーを右→ / 数値 [+100] 方向へ調整 = 彩度が高くなって色があざやかになります」
RAW現像【CameraRaw「自然な彩度」「彩度」の補正例を解説】 の解説画像の説明
下記の画像の左上の図は、「自然な彩度」と「彩度」の調整スライダーです。
そのすぐ下の画像は、左上の「自然な彩度」と「彩度」の調整が反映された色調になっています。
下記の左上の画像は、「自然な彩度」と「彩度」のスライダーの三角が中央にあり、数値は＜0＞なので調整はされていない無補正の状態を表しています。
左上の「自然な彩度/彩度」の調整が反映された画像
RAW現像【CameraRaw「自然な彩度」と「彩度」の補正例を解説】
下記の画像を使って、「自然な彩度」と「彩度」の補正例を解説します。
「自然な彩度/彩度」の解説で使用するRAW画像
下記の補正例では、「自然な彩度」と「彩度」の調整値、最小値 [-100] 〜 最大値[+100] の間、 [-70] と [+70] の２通りづつの補正例を解説しています。
補正例：自然な彩度 [-70]
下記の画像は、自然な彩度 [-70] に調整しています。
色味のある部分の彩度が低く、あざやかさが弱くなっています。
彩度が強めの色だけでなく、空の淡い水色、ビルの影の彩度の低い青味、暗い緑も彩度が下がり色がくすんでいます。
このように、スライダーを左← へ、 数値 を[-100] 方向 へ調整すると彩度が低くなっていき色がくすむ方向へ変化します。
補正例：自然な彩度 [+70]
下記の画像は、自然な彩度 [+70] に調整しています。
色味のある部分の彩度、あざやかさが高くなっています。
彩度が強めの部分だけでなく、空の淡い水色、ビルの影の彩度の低い青味、暗い緑も彩度が上がり色があざやかになっています。
このように、スライダーを右→ へ、 数値 を[+100] 方向 へ調整すると、彩度が高くなっていき色があざやかな方向へ変化します。
補正例：彩度 [-70]
下記の画像は、彩度 [-70] に調整しています。
色味のある部分の彩度、あざやかさが下がっています。
自然な彩度 [-70] と比べて、より彩度、色のあざやかさが下がっています。
彩度 [-70] も、彩度が強めの部分だけでなく、空の淡い水色、ビルの影の彩度の低い青味、緑の彩度も下がっています。
このように、スライダーを左← へ、 数値 を[-100] 方向 へ調整すると、「自然な彩度」よりも 彩度が低くなっていき色がくすむ方向へ変化します。
補正例：彩度 [+70]
下記の画像は、彩度 [+70] に調整しています。
色味のある部分の彩度、色のあざやかさが上がっています。
自然な彩度 [+70] と比べて、より彩度、色のあざやかさが上がっています。
彩度 [+70] も、彩度が強めの部分だけでなく、空の淡い水色、ビルの影の彩度の低い青味、暗い緑の彩度も上がっています。
このように、スライダーを右→ へ、 数値 を[+100] 方向 へ調整すると、「自然な彩度」よりも彩度が高くなっていき色があざやかな方向へ変化します。
「自然な彩度 」と「彩度」の効果の比較
「自然な彩度 」と「彩度」の＜-70＞と＜+70＞の効果の比較をご覧ください。
「自然な彩度 」と「彩度」の効果の比較：＜-70＞
どちらも、同じ数値＜-70＞で調整しています。
「自然な彩度 」より「彩度」の方が、彩度が低くなっていて効果が強く表れています。
「自然な彩度 」と「彩度」の効果の比較：＜+70＞
どちらも、同じ数値＜+70＞で調整しています。
「自然な彩度 」より「彩度」の方が、彩度が高くビビットになっていて、効果が強く表れています。
自然な彩度・彩度編【「カメラのJPEG」と「RAW現像のJPEG」との比較】
「自然な彩度」「彩度」の解説で使用した同カットの「カメラのJPEG画像」と「RAW現像のJPEG画像」の色調の再現力を比較しています。
下記の２点の画像は、上の画像「カメラのJPEG画像」と下の画像「RAW現像のJPEG画像」との比較をしています。
下の画像「RAW現像のJPEG画像」は、RAW画像が保持している色調情報を引き出すことのみの現像、色調補正を行なっています。
他の画像処理等はしていません。
これほど、差がつく「RAW」と「JPEG」
カメラのJPEG画像
RAW現像のJPEG画像
上の「カメラのJPEG画像」は、暗いところの様子、階調が見づらくなっています。
下の「RAW現像のJPEG画像」は、暗いところの様子、階調が再現されています。
RAW画像には、こうした色調情報が保持されていますので、必要に応じて再現することが可能です。
この２点の再現の違いは、RAW画像とJPEG画像のデータ（ファイル）形式の差ではなく、画像が保持している色調情報の差ということなんですね。
まとめ
RAW画像の現像のやり方は「Photoshop」の現像機能「CameraRaw」を使って、「自然な彩度 」と「彩度」の使い方と画像を用いた補正例の解説をしました。
そして、「自然な彩度 」と「彩度」の解説で使用した「RAW現像のJPEG画像」と「カメラのJPEG画像」とを比較し、RAW画像が持つ再現力の違いを解説しました。
ぜひ、RAW画像が持つ再現力を生かして、大切な写真、記録しておきたい画像を「カメラのJPEG画像」に負けない仕上がりにしてください。
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