この記事は、下記について解説しています。
・RAW画像の現像の具体的なやり方、露光量とは？
現像での「露光量」の調整ポイントと方法、補正例で解説しています。
・RAW画像とJPEG画像では、どこが違うの？
「露光量」の解説で使った画像で、
「RAW現像したJPEG画像」と「カメラのJPEG画像」との比較、再現力の確認と解説をしています。
RAW画像の現像に挑戦したい未経験者の方や初心者の方に向けて解説しています。
本記事の内容
・RAW画像【現像のやり方「露光量」の使い方と補正例】
・「露光量」の解説で使用した画像を使って
「カメラのJPEG画像」と「RAW現像のJPEG画像」との比較
RAW画像【現像のやり方「露光量」の使い方と補正例】
下記のRAW画像を使って、RAW画像の現像「露光量」の使い方と補正例を解説します。
「露光量」の解説で使用する無調整のRAW画像
10月中旬の朝、長野の方で撮影した写真です。
この画像は、開いたままのRAW画像です。
「露光量」の使い方と補正例の解説で、お伝えしやすく適正な画像を選んでいます。
RAW画像【現像のやり方「露光量」とは？】
「露光量」は、画像全体の明るさを調整するツールです。
本稿では、使用する現像アプリ（ソフト）は「Photoshop」の現像機能「CameraRaw」を使って解説しますが、「露光量」は「Photoshop」でも調整できます。
「CameraRaw」の「露光量」の調整は画像全体の明るさを調整しますが、「Photoshop」は明るい部分をなるべく維持したままで明るさを調整できます。
例えば、画像は明るくしたいけど、白っぽく明るい部分はこれ以上白く明るくしたくない場合に有効です。
現像のやり方【「露光量」の解説で使用する現像アプリ（ソフト）】
現像のやり方、「露光量」の解説では、Adobe社「Photoshop」の現像機能「CameraRaw」を使って解説します。
「CameraRaw」と同じ開発・販売元のAdobe社には、もう1つ「Lightroom」という現像アプリ（ソフト）があるのをご存知でしょうか？
こちらもアマからプロの方まで非常にユーザーが多く実績のあるアプリ（ソフト）です。
この「Lightroom」と「CameraRaw」の機能、現像エンジンは同じですので現像の結果は同じになります。
ですので、ここでの解説は「Lightroom」でもお使いいただけます。
また、「露光量」の名称は他社のアプリ（ソフト）でもよく使われている名称ですので、調整の考え方、方法は同様に流用できると思います。
RAW現像【CameraRaw「露光量」の使い方と補正例】
下記は、「CameraRaw」の操作画面です。
「CameraRaw」の操作画面
上記の操作画面、右側の上から下へ補正に使うツール並んでいます。
本稿では、赤ワクで囲まれている「露光量」を解説します。
赤ワクで囲まれた「露光量」
RAW現像【CameraRaw「露光量」の使い方】
「露光量」は、画像全体の明るさを調整するツールです。
調整の仕方は、２つの方法があります。
・中央の三角のスライダーを左右に動かす方法
・右上の「0.00」の数値のところに、調整したい数値を入力する方法
中央の三角のスライダーを、左←に動かすと暗くなり、右→に動かすと明るくなります。
数値の入力は、最小 [-5.00] 〜 最大[+5.00] の間で調整します。
[-5.00] 方向は暗くなり、[+5.00] 方向は明るくなります。
・「スライダーを左← / 数値 [-5.00] 方向 へ調整 = 暗くなる」
・「スライダーを右→ / 数値 [+5.00] 方向へ調整 = 明るくなる」
RAW現像【CameraRaw「露光量」の補正例を解説】 の解説画像の説明
下記の画像の右側は、上記の「CameraRaw」の操作画面の赤ワクで囲まれた「露光量」です。
左の画像は、右側の「露光量」の調整が反映された色調になっています。
下記の画像は、スライダーの三角が中央にあり、数値は＜0.00＞なので「露光量」の調整はされていない無補正の状態を表しています。
右側の「露光量」の調整が反映された画像
RAW現像【「露光量」の調整のポイント】
「露光量」の機能は、画像全体を明るく、または、暗くすることです。
ポイント①
「露光量」の調整を始める前に、「露光量」を使って調整できる画像なのかを判断します。
判断の基準、目安は、「飛び（とび）」と「潰れ（つぶれ）」です。
「飛び（とび）」とは、画像内の明るいところが完全に白くなっていて、その周囲も白くフラット、平坦になっている状態のことです。
「潰れ（つぶれ）」とは、画像内の暗いところが完全に黒くなっていて、その周囲も黒くフラット、平坦な状態になっていることです。
なぜ、判断の基準、目安が「飛び（とび）」と「潰れ（つぶれ）」かというと、
画像内の明るいところが完全に白くなって飛んでしまうと、そこに本当は何が写っていたのかわからなくなってしまいます。
また、画像内の暗いところが完全に黒くなって潰れてしまうと、そこに本当は何が写っていたのかが見えなくなってしまうからです。
ですので、
・画像全体を希望の明るさに調整したとき、明るいところが白くなり過ぎてしまったり、フラット、平坦になり過ぎてしまって形状や状態がわからなくなってしまった
・画像全体を希望の暗さに調整したとき、暗いところが黒くなり過ぎて何が写っているのか見えなくなってしまう
こうした場合には、「露光量」での調整でなく、別のツールで調整する必要があります。
ポイント②
「飛び（とび）」と「潰れ（つぶれ）」は、「露光量」での調整量の基準、目安でもあります。
「露光量」での調整量の基準、目安は、「飛び（とび）」と「潰れ（つぶれ）」が起こらない、もしくは許容できる範囲で希望の明るさ、暗さに調整することです。
RAW現像【CameraRaw「露光量」の補正例】を解説】
下記の『「露光量」無調整のRAW画像 』を使って、２通りの「露光量」の補正例を解説します。
「露光量」無調整のRAW画像
下記の補正例では、「露光量」の値が、最小値 [-5.00] 〜 最大値[+5.00] の中間の値、 [+2.50] と [-2.50] の２通りの補正をしています。
補正例：露光量 [-2.50]
下記の画像は、露光量 [-2.50] に調整しています。
画像全体が暗い方向へ変化しています。
影になっている黒っぽく暗らかった暗部は、ほとんど潰れてしまって真っ黒くなっています。
このように、「スライダーを左← / 数値 [-5.00] 方向 へ調整 = 暗くなる」となります。
補正例：露光量 [+2.50]
下記の画像は、露光量 [+2.50] に調整しています。
画像全体が淡く明るくなる方向へ変化しています。
白かったところは、完全に飛んで白くなってしまっています。
このように、「スライダーを右→ / 数値 [+5.00] 方向へ調整 = 明るくなる」となります。
今回、使用した『「露光量」無調整のRAW画像 』には、「露光量」を使った補正は適当ではないことがわかります。
ここでは、[+2.50] と [-2.50] で補正していますが、この画像の色調は少し明るく調整すると飛んでしまい、少し暗く調整すると潰れてしまうからです。
こうしたケースでは、他のツールを使って調整することを検討しましょう。
露光量編【「カメラのJPEG」と「RAW現像のJPEG」との比較】
「露光量」の解説で使用した同じカットの「カメラのJPEG画像」と「RAW現像のJPEG画像」との色調の再現力を比較しています。
下記の２点の画像は、「カメラのJPEG画像（上）」と「RAW現像のJPEG画像（下）」です。
どちらがキレイ？といった個々の表現の範疇は、ひとまず置いてご覧になってください。
RAW画像が保持している色調情報を引き出すことに主眼を置いた現像、色調補正のみを行なっています。
他の処理はしていません。
これほど、差がつく「RAW」と「JPEG」
カメラのJPEG画像
RAW現像のJPEG画像
草花に霜が降りていた様子を撮影した写真ですが、霜の再現力が写真のメッセージを伝えるポイントだと思います。
上の「カメラのJPEG画像」は、主要な葉の霜の様子がわかります。
下の「RAW現像のJPEG画像」は、主要な葉だけでなく、他の周囲の葉にまでくっきりと霜が降りている様子と「カメラのJPEG画像」では見えないところまではっきりと再現できています。
すると、写真には写っていない、この一帯の草花すべてに霜が降りていたんだろうということが伝わるかも知れません。
この２点の画像の違いは、RAW画像とJPEG画像のデータ（ファイル）形式の差ではなく、画像が保持している色調情報の差を意味しています。
まとめ
RAW画像の現像の効果とメリットは、RAW画像は豊富な色調情報を持っていて、それを生かした色調補正によって効果とメリットがあるという解説をしました。
RAW画像の現像のやり方は「Photoshop」の現像機能「CameraRaw」を使って、「露光量」の使い方と画像を用いた補正例をご紹介し解説しました。
ぜひ、RAW画像の現像に挑戦していただき、大切な写真、画像を作品級の仕上がりにしてください。
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