本稿では、RAWデータの現像について、下記の疑問について解説しています。
・RAWデータってなんだろう?
・RAWデータの現像の意味は?
・RAWデータの現像の理由は?
・RAWデータの現像の効果は?
本稿の記事
◯ RAWとは【RAWデータとは〜現像の効果まで、疑問を解説】
・「RAW」の意味
・RAWデータを現像する理由と目的
・RAWデータとは?
・RAWデータ最大の特徴【生成、出力される過程でわかる】
・JPEG画像の特徴【生成される過程でわかる】
・RAWデータの現像とは?
◯ RAW【「カメラのJPEG画像」と「RAWデータを現像した画像」の比較と効果を解説】
◯ まとめ
RAWとは【RAWの意味〜現像の意味・効果まで、まとめて解説】
「RAW」の意味
「RAW」は英単語です。
読み方は、「ロウ」です。
「生」や「未処理」という意味です。
処理されているJPEG画像のような通常の画像データに対し、RAWデータは何も処理されていない記録されたままのデータです。
RAW の他に、Raw、raw と記されていることもあります。
RAWデータの他に、RAWファイル、RAW画像 などと呼ばれています。
RAWデータを現像する理由と目的
RAWデータを現像する理由と目的は、下記の2つです。
① RAWデータが保持している色調情報を引き出し、再現力、クオリティーの高い写真にするため
② RAWデータを通常の画像のように互換性を持たせ、一般の画像鑑賞、編集アプリで扱えるようにするため
① の解説
RAWデータは最大の色調情報を保持していて、RAWデータを使うことで写真の再現力、クオリティーがJPEG画像より高くなる可能性があります。
そのために、RAWデータを使います。
RAWデータが保持している色調情報を引き出すためには、現像専用のアプリ(ソフト)を使って補正、編集を行なう必要があります。
そして、通常の画像データ形式で保存します。
この処理が「現像」です。
② の解説
RAWデータは、一般の画像閲覧、編集アプリでは開けないデータであるため、現像専用のアプリ(ソフト)を使って現像することで、一般の画像閲覧、編集アプリで鑑賞、編集することが可能になります。
もし、RAWデータが保持している色調情報を引き出し、再現力、クオリティーの高い写真にしたい場合には、① の手順を行なう必要があります。
RAWデータとは?
すべての画像データは、もともとはイメージセンサーによって出力されたデータです。
RAWデータとは、イメージセンサーによって出力された、もともとのデータです。
出力されたままの、何も処理されていないデータです。
処理されたデータがJPEGのような通常の画像データです。
RAWデータには、そのカメラ最大の色調情報が保持されています。
しかし、カメラのJPEG画像データはその色調情報の一部を失ってしまいます。
その理由は、RAWデータとJPEG画像データが生成、出力される過程から理解することができます。
「RAWデータが生成、出力される過程」と「JPEG画像データが生成、出力される過程」は、下記で解説しています。
RAWデータ最大の特徴【生成、出力される過程でわかる】
① デジタルカメラで撮影した被写体・像がレンズを通過して下図のイメージセンサーが光として捉えます。
イメージセンサーのイメージ図
② 光を捉えたイメージセンサーの各画素には、R(Red:赤)・G(Green:緑)・B(Blue:青)の3つのカラーのうち、いずれかのカラーフィルタがついていて、光はそれぞれのフィルタの色の成分に分けられて、そのうち1色の色成分の単色(白黒)データとして生成、出力しています。
つまり、イメージセンサーが生成、出力するデータは、3色それぞれの色成分に分けられた単色のデータです。
RAWデータとは、R・G・Bの3色の1色づつの成分に分けられた単色のデータのまま保存されているデータです。
イメージセンサーを部分拡大したイメージ図
上記の図は、カメラのイメージセンサーを部分拡大したイメージ図です。
上図のように、イメージセンサーの各画素には、R(Red:赤)・G(Green:緑)・B(Blue:青)の3つのカラーのうち、いずれかのカラーフィルタがついています。
JPEG画像の特徴【生成される過程でわかる】
③ jpegのような通常のカラー画像データは、②の単色のデータからカラー情報の補完と合成処理を行うことで1つのカラー画像に変換されます。
そして、JPEG画像は、カメラ独自のアルゴリズムによって明るさなどの色調補正とデータの圧縮処理を行なって保存されているデータです。
RAWデータの現像とは?
RAWデータの現像とは、③の過程で行なったカラー情報の補完と合成処理のことです。
3色の色成分に分けられた単色のデータから、不足しているカラー情報の補完と合成処理を行って1つのカラー画像、通常の画像データに変換する処理のことです。
この処理を「デモザイク処理」といい、「現像」と呼んでいます。
「現像」と呼ばれる理由、所以は、この作業がフィルムを現像することでフィルムに写された映像を浮かび上がらせる工程、処理になぞらえているからです。
RAW【「カメラのJPEG画像」と「RAWデータを現像した画像」の比較と効果を解説】
下記の画像は、上が「カメラのJPEG画像」、下が「RAWデータを現像した画像」です。
どちらも「RAW+JPEG」のカメラ設定で撮影した同一カットの画像を使用しています。
カメラのJPEG画像
RAWデータを現像した画像
上の「カメラのJPEG画像」は、雲の階調がほぼなくなってしまっていますし、森の「階調」の暗部がつぶれかかっています。
下の「RAWデータを現像した画像」は、雲や森の「階調」が再現されていて、雲の様子、森の様子がわかります。
この画像では、RAWデータを使った効果の差は圧倒的に違います。
上記で解説しましたが、RAWデータは無処理のため色調情報を保持したままのデータです。
このように、この色調情報を生かせることがRAWデータの大きなメリットです。
RAWデータを使わなくても、jpeg データを色調補正すればいいのでは?という疑問があるかもしれません。
この画像の例では、「カメラのJPEG画像」の状態からですと、「RAWデータを現像した画像」と同じくらいまで階調を再現することは不可能です。
なぜなら、「カメラのJPEG画像」は再現したい箇所の「階調」を失っているからです。
失ってしまった階調、色調情報を復活させることは不可能です。
下の「RAWデータを現像した画像」の色調は、「Photoshop」の「CameRaw」を使って現像し、「トーンカーブ」と色の補正ツールのみを使って補正しています。
RAWデータを現像する理由は、RAWが保持している劣化してない豊富な色調情報を引き出し、再現力に優れたクオリティーの高い色調再現が可能になることにあります。
まとめ
本稿では、「RAWデータとは?」〜「現像の効果」まで、簡単な解説をしました。
RAWデータには、JPEGのような通常の画像では劣化してしまっている色調情報を保持しています。
RAWデータを使うことで、「カメラのJPEG画像」では再現できていない階調、様子、表情を再現できる可能性があります。
そして、「カメラのJPEG画像」と「「RAWデータを現像した画像」との再現力、クオリティーの比較と効果の解説をしました。
目視で確認することで、よりRAWデータについて実感できたのではないかと思います。
ぜひ、RAWデータを使って再現力をアップし、より伝わる写真を目指して頂きたいと思います。
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