
本稿では、サンプル画像を使って<色調補正を行った画像>と<撮って出しJPEG画像>の色調の再現力と階調の違い、差を比較しています。
カラー画像の比較だけでなく、再現力が顕著に現れるモノクロ画像で階調の比較もしています。
再現力の高さは、「階調」の再現力の高さで決まります。
ですので、色のない白黒の「階調」のみで再現されるモノクロ画像はダイレクトに再現力と階調の違い、差が現れます。
(※ <撮って出しJPEG画像>とは、撮影するとカメラに保存されているJPEG(JPG)画像のことです。)
今回のサンプル画像は、「桜」の画像を使って比較しています。
再現力の違い、差を明確に確認できます。
画像の色調【<補正した画像>と<撮って出しJPEG画像>再現力と階調の比較①】
<色調補正を行った画像>と<撮って出しJPEG画像>の色調の再現力を比較しています。
カラー画像の比較だけでなく、モノクロ画像の比較もしています。
モノクロ画像でも比較をしている理由は、再現力は色のない階調のみのモノクロ画像の方が顕著に明確な違い、差となって現れるからです。
モノクロ画像は、カラー画像の色調をそのままモノクロ画像に変換しています。
モノクロ画像用の色調補正は行っていません。
色調補正を行った画像 とは、最も色調情報が記録されているRAWデータから色調補正の「基礎・基本」に則って補正し、さらに、標準的な色調の表現を加えた補正を行った画像です。
撮って出しJPEG画像 とは、デジタルカメラで撮影すると自動でカメラ内で色調補正し、JPEG(JPG)形式で保存される画像のことです。
サンプル画像5点を使って比較していきます。
サンプル画像_1〜 5 / カラー画像の比較
サンプル画像_1 / カラー画像の比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_2 / カラー画像の比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_3 / カラー画像の比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_4 / カラー画像の比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_5 / カラー画像の比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_1〜 5 / カラー画像の比較、違いを解説
最初に目に留まるのは、桜の花、空、葉、橋の欄干、水面の色だと思います。
色も大切なのですが、色調再現で何より重要なのは「階調」の再現です。
「階調」とは、明暗の変化、段階のことです。
テクスチャー、形、表情、様子などは「階調」によって再現されています。
「階調」の再現力は、臨場感、立体感、光感、奥行き感、透明(クリア)感、メリハリなどの違い、差となって現れます。
部分的に見ていくと、桜の花、木々の幹、枝、葉、橋桁、橋脚、石垣、水面、城の壁面など、特に明部、暗部のテクスチャー、形、表情、様子の再現に違いが見られます。
サンプル画像_1〜 5 / モノクロ画像で階調を比較
サンプル画像_1〜 5を使って、モノクロ画像で階調を比較してみます。
モノクロ画像は、上記で使用したカラー画像、<撮って出しJPEG画像>と<色調補正を行った画像>を、そのままモノクロ画像に変換しています。
モノクロ画像用の色調補正は行っていません。
階調の良し悪しを判断するポイントは、
・白い部分はちゃんと白く、黒い部分はしっかりと黒くなっているか?
・ボリューム感はあるか?
その上で、
・明るく白っぽい部分と暗く黒い部分のモノの形、テクスチャー、様子がわかるか?
・被写体の形、テクスチャー、様子がどれくらい再現できているか?
・臨場感、立体感、光感、奥行き感、透明(クリア)感、メリハリがあり、フラットになっていないか?
といった点が階調の良し悪しの違い、差となって現れます。
サンプル画像_1 / モノクロ画像で階調を比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_2 / モノクロ画像で階調を比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_3 / モノクロ画像で階調を比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_4 / モノクロ画像で階調を比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_5 / モノクロ画像で階調を比較
撮って出しJPEG画像


色調補正を行った画像


サンプル画像_1〜 5 / モノクロ画像で階調を比較、違いを解説
先述しましたポイントを比較してみていかがだったでしょうか。
<撮って出しJPEG画像>は、暗部の階調が出ていないことが解ります。
また、臨場感、立体感、光感、奥行き感、透明(クリア)感、メリハリが弱く、フラットです。
部分的には、桜の花びら一輪づつの形状、城壁や石垣の暗部のテクスチャー、水の透明感、映り込みや波紋の強さ、桜の光の回り込みの様子など、白から黒までの変化に違い、差があるのが解ります。
桜の花の最明部は淡いピンク色で白色ではありませんから、モノクロにすると淡いグレーで再現されます。
光があたった部分から陰が深くなっていくほど、淡いグレーから徐々に黒くなっていくことで光の回り込みや一輪一輪の形が見てわかるようになります。
これがモノクロでの桜の花の階調再現です。
カラー画像も同様に、カラーの濃淡で光の回り込みや一輪一輪の形が見てわかるようになります。
<撮って出しJPEG画像>は、この再現が弱いです。
桜の花以外も同じです。
木々の幹、枝、葉、橋桁、橋脚、石垣、水面、城の壁面など、特に明部、暗部のテクスチャー、形、表情、様子が<色調補正を行った画像>と比べると階調の再現が弱く表現し切れていません。
カラー画像も同様ということになります。
※ 本稿の画像は、Adobe「Photoshop」を使って、色調補正、編集のすべてを行っています。
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