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RAW画像【現像のやり方「ホワイトバランス」の使い方と補正例】

この記事は、下記について解説しています。

・RAW画像の現像の具体的なやり方、「ホワイトバランス」とは?
調整方法、使い方は?

現像での「ホワイトバランス」の調整方法、使い方を補正例も使って解説しています。

・RAW画像とJPEG画像では、一体何が違うのだろう?

「ホワイトバランス」の解説で使用した画像で、
「RAW現像のJPEG画像」と「カメラのJPEG画像」とを比較し再現力の違いを解説しています。

RAW画像の現像をしたことがない未経験者の方や初心者の方に向けて解説しています。

本記事の内容

・RAW画像【現像のやり方「ホワイトバランス」とは?使い方と補正例】 

・「ホワイトバランス」の解説で使用した画像を使って

「カメラのJPEG画像」と「RAW現像のJPEG画像」との比較

目次

RAW画像【現像のやり方「ホワイトバランス」の使い方と補正例】 

本稿では、「ホワイトバランス」について解説します。

また、下記のRAW画像を使ってRAW画像の現像「ホワイトバランス」の使い方と補正例を解説します。

無調整のRAW画像

無調整のRAW画像

2月下旬、間もなく夕方の時刻に撮影した写真です。

この画像は現像アプリ(ソフト)で開いたままの、無調整のRAW画像です。

灰色、グレーの部分がある画像を選びました。

理由は、「ホワイトバランス」とは、画像全体の色味のバランスを灰色、グレーを基準に調整する機能だからです。

RAW画像【現像のやり方「ホワイトバランス」とは?】

「ホワイトバランス」とは、画像全体の色味のバランスを灰色、グレーを基準に調整する機能です。

基準になる灰色、グレーは、色味がなく無彩色の白(淡いグレー)〜黒(濃いグレー)のニュートラルグレーを指します。

もし、画像内のニュートラルグレーが青っぽければ、画像全体の色味が青い方向へ偏っていることになります。

また、画像内のニュートラルグレーが黄っぽければ、画像全体の色味が黄色い方向へ、ニュートラルグレーが赤っぽければ、画像全体の色味が赤い方向へ偏っていることになります。

ニュートラルグレーにバランスをとることで、画像の色味に偏りがないように調整できます。

その逆に、画像全体の色味を意図的に偏らせて、青味、黄味、赤味の方向に調整することも可能です。

「色温度」「色かぶり補正」を合わせて使うと効果的です。

現像のやり方【「ホワイトバランス」の解説で使用する現像アプリ(ソフト)】

この記事の解説で使用する現像アプリ(ソフト)は。「Photoshop」の機能「CameraRaw」を使って解説します。

「Photoshop」は、現像機能「CameraRaw」を搭載しています。

「Photoshop」と同じ開発・販売元のAdobe社には、「Lightroom」という現像アプリ(ソフト)もあります。

「Photoshop」も「Lightroom」も、非常に多くのアマからプロのユーザーに支持されているアプリ(ソフト)です。

「Photoshop」の現像機能「CameraRaw」と「Lightroom」は、機能も現像エンジンも共通です。

つまり、現像の結果は同様になります。

この記事の解説は「Lightroom」でも同様に使うことができます。

また、「ホワイトバランス」は他社製のアプリ(ソフト)でもよく見かける機能です。

ですので、この記事の解説は他社製のアプリ(ソフト)にも参考になると思います。

RAW現像【CameraRaw「ホワイトバランス」の使い方と補正例

下記の画像は、「ホワイトバランス」の解説に使用するRAW画像を「CameraRaw」で開いたときの操作画面です。

「CameraRaw」の操作画面

「CameraRaw」の操作画面

上記の操作画面の右側に、現像の補正に使うツールが並んでいます。

赤ワクで囲まれているところが「ホワイトバランス」を調整するところです。

赤ワクで囲まれた「ホワイトバランス」の項目

「ホワイトバランス」の項目

RAW現像【CameraRaw「ホワイトバランス」の使い方

「ホワイトバランス」は、像全体の色味のバランスを調整する機能です。

調整の方法は2通りあります。

1. [ 撮影時 ]のところをクリックして、展開したプルダウンメニューからプリセットを選択する方法

2. 右の「スポイト」のアイコンをクリックした後、画像内のナチュラルグレーに補正したい箇所をクリックする方法

1. プリセットから選択する方法

[ 撮影時 ]のところをクリックして、展開したプルダウンメニューのプリセットを選択すると選択した光源の色によるバランスの偏りを軽減した調整が行なわれます。

展開したプルダウンメニューのプリセット

展開したプルダウンメニューのプリセット

2. スポイトを使う方法

右の「スポイト」のアイコンをクリックした後、画像内のナチュラルグレーに補正したい箇所をクリックすると、その箇所がナチュラルグレーになるように画像全体のバランスを自動で調整します。

現像のやり方【「ホワイトバランス」の解説で使用する現像アプリ(ソフト)】

現像機能「ホワイトバランス」の使い方の解説には、Adobe社「Photoshop」を使っています。

「Photoshop」にはRAW画像の現像機能を持つ「CameraRaw」が搭載されています。

そして、Adobe社には非常に有名な別の現像アプリ(ソフト)「Lightroom」があります。

「Lightroom」と「CameraRaw」は同じ機能、同じ現像エンジンを使っていますので、どちらを使っても現像結果が同じになります。

ここで解説している「CameraRaw」の使い方と「Lightroom」での使い方は同じです。

どちらもアマの方からプロの方まで多くのユーザーが支持をしているアプリ(ソフト)です。

RAW現像【CameraRawホワイトバランス」の補正例を解説】

下記の『「ホワイトバランス」解説用の無調整の画像』を使って、「ホワイトバランス」の補正例を解説します。

「ホワイトバランス」解説用の無調整の画像

「ホワイトバランス」解説用の無調整の画像
1. プリセットから選択する方法

上記の『「ホワイトバランス」解説用の無調整の画像』を使って、プリセットから選択した場合の補正例、色調の変化を見ていきましょう。

各プリセットの調整は、下記のように「色温度」と「「色かぶり補正」という機能を使って調整されています。

ホワイトバランス:撮影時

「色温度」は、暖色系と寒色系のバランスを調整します。

色温度を低い数値に調整すると冷たい印象の青系に、高い数値に調整すると暖かい印象の黄系、赤系の方向に変化します。

「色かぶり補正」は、グリーンとマゼンタ(ピンクのような紫)のバランスを調整します。

数値を低い方へ調整するとグリーン味を増し、数値を高い方へ調整するとマゼンタ味を増していきます。

撮影時

撮影時の設定の「色温度」と「色かぶり補正」は下記のようになっています。

撮影時

下記は、撮影時の設定の画像です。

撮影時
自動

自動の設定では、撮影時の設定より「色温度」の数値は高く、「色かぶり補正」の数値は低くなっています。

自動

撮影時の設定より暖色系、ややグリーン味の方向へ変化しています。

自動
昼光

昼光の設定では、撮影時の設定より「色温度」の数値は高く、「色かぶり補正」の数値は同じです。

昼光

撮影時の設定より暖色系の方向へ変化しています。

昼光
曇天

昼光の設定では、撮影時の設定より「色温度」の数値はより高く、「色かぶり補正」の数値は同じです。

曇天

撮影時の設定より暖色系の方向へ強く変化しています。

曇天
日陰

昼光の設定では、撮影時の設定より「色温度」の数値はもっと高く、「色かぶり補正」の数値は同じです。

日陰

撮影時の設定より暖色系の方向へ非常に強く変化しています。

日陰
白熱灯

白熱灯の設定では、撮影時の設定より「色温度」の数値は低く、「色かぶり補正」の数値も低くなっています。

白熱灯

撮影時の設定より強く寒色系、ややグリーン味の方向へ変化しています。

白熱灯
蛍光灯

蛍光灯の設定では、撮影時の設定より「色温度」の数値は低く、「色かぶり補正」の数値は低く高くなっています。

蛍光灯

撮影時の設定より寒色系、ややマゼンタ味の方向へ変化しています。

蛍光灯
フラッシュ

フラッシュの設定では、撮影時の設定より「色温度」の数値は高く、「色かぶり補正」の数値は低く高くなっています。

フラッシュ

撮影時の設定より暖色系、ややグリーン味の方向へ変化しています。

フラッシュ
2. スポイトを使う方法
補正例①:スポイトを使ってホワイトバランスを補正

下記の画像は、スポイトを使って「ホワイトバランス」の補正を行なった1例目です。

下記で示した左のビルの上部をクリックしています。

『「ホワイトバランス」無調整の画像』と比較すると、全体に黄色い方向へ補正されています。

スポイトでクリックした箇所

スポイトを使った補正1
補正例②:スポイトを使った補正2

下記の画像は、スポイトを使って「ホワイトバランス」の補正を行なった2例目です。

下記で示した道路をクリックしています。

『「ホワイトバランス」無調整の画像』と比較すると、全体に青い方向へ補正されています。

スポイトでクリックした箇所

スポイトを使った補正2

ホワイトバランス編【「カメラのJPEG」と「RAW現像のJPEG」との比較】

「ホワイトバランス」の解説で使用した画像の「カメラのJPEG画像」と「RAW現像のJPEG画像」の色調の再現力を比較します。

下記の画像は、上が「カメラのJPEG画像」、下が「RAW現像のJPEG画像」です。

この2点の画像の比較を解説しています。

下の「RAW現像のJPEG画像」は、RAW画像の色調情報を引き出すことに主眼を置いて現像、色調補正のみを行なっています。

他の画像処理等は何もしていません。

これほど、差がつく「RAW」と「JPEG」

カメラのJPEG画像

カメラ生成のJPEG画像

RAW現像のJPEG画像

RAW現像のJPEG画像

2月下旬、間もなく夕方の頃に撮影した写真です。

上の「カメラのJPEG画像」は、太陽周辺の空は白くなっています。

暗く黒っぽいところは少々つぶれかかっています。

下の「RAW現像のJPEG画像」は、RAW画像を現像、色調補正のみを行なっています。

RAW画像が持っている色調情報を生かして、空の雲の様子が再現できています。

暗く黒っぽいところですが、非常に分かりづらいのですが「RAW現像のJPEG画像」の方が、やや暗い部分の様子がわかります。

これ以上、はっきりとわかるくらいに明るくしてしまうと全体のシャープ感、メリハリが弱くなってしまいます。

もう少し、上の「カメラのJPEG画像」と下の「RAW現像のJPEG画像」とを比較してみると、

上の画像の方が明るいところは明るく、暗いところは暗いので、通常ですとコントラストが高くなるのですが、下の画像よりコントラストが弱く柔らかい再現になっています。

下の画像の方が明るい部分と暗い部分が再現されていますが、コントラストは強く、ビルや道路の質感が再現できています。

この2点の再現力の違い、差は、ファイル形式によるものではありません。

画像が保持している色調情報の差です。

まとめ

「ホワイトバランス」とは、画像全体の色味のバランスを灰色、グレーを基準に調整する機能です。

ニュートラルグレーにバランスをとることで、画像の色味に偏りがないように調整したり、画像全体の色味を意図的に偏らせて、青味、黄味、赤味の方向に調整することもできます。

そして、「ホワイトバランス」の解説で使った画像での「カメラのJPEG画像」と「RAW現像のJPEG画像」との比較をし、RAW画像の再現力の違いを解説をしました。

ぜひ、RAW画像の現像に挑戦していただき、カメラのJPEGと一線を画す画像に仕上げていただければと思います。

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おさらい

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この記事を書いた人

写真・画像編集(色調補正・加工)/プリンティング・ディレクションの専門家

[ 処理点数:数十万点以上 ]
[ 実務年数:30年以上 ]

<経歴>
・スキャニング
・デジタル画像編集(現像・色調補正・加工処理)
・プリンティング・ディレクター
・カラーマネジメント
・Photoshop
・CameraRaw

<実績>
・国内海外の巨匠〜新進の写真家
・海外トップ ファッションブランド
・国公立美術館
・企業
 など
写真集・作品集・プリント・他、多数

<趣味>
登山〜街歩き・カメラ・野球観戦・音楽/映画鑑賞

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