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RAWとJPEGの違いを解説|メリットとデメリット

本稿では、RAWとJPEGの違いを解説しています。

また、下記についても解説しています。

・RAWとJPEGの違いを解決する対策

・RAWとJPEGを画像で比較

・RAWの特徴やメリット・デメリット

初心者の方に向けて、わかりやすく解説した記事です。

本稿の記事

◯ RAWとJPEGの違いを解説|画像の比較とメリット・デメリットも

・RAWとJPEGの違い5点

・RAWとJPEGの違い5点 、それぞれの対策

・RAWとJPEGの違いをまとめた表

・RAWと撮って出しJPEGを画像で比較した実例

・RAWの特徴

・RAWの「メリット」と「デメリット」

◯ まとめ

目次

RAWとJPEGの違いを解説|メリットとデメリット

RAWとJPEGの違い5点

RAWとJPEGとは、下記の5点が違います。

RAWとJPEGの違い5点

1. データの容量(フォイルサイズ、データの大きさ、重さ)

2. 互換性(データのやりとり、撮り扱いやすさ)

3. 色調情報の量、豊富さ

4. 色調の再現力(=クオリティ)

5. 画質

以上の5点について、順に解説します。

1. データの容量(フォイルサイズ、データの大きさ、重さ)

RAWのデータの容量は、JPEGより、およそ2~3倍大きく、重いです。

この容量の違いが、もっとも影響するケースは長期的なデータの保管ではないかと思います。

なぜなら、保管に必要なハードディスクなどのメディアのコストが長期的な負担になるからです。

撮影点数、保管点数によってコストは変動しますが、さほど多くなければ、あとはディスク容量次第かもしれません。

一時的な保存であれば、使用後にデータを消去すればディスク容量を圧迫しないで済みます。

RAWを使ってコストを抑えたい方には対策がありますので、下記で後述します。

2. 互換性(データのやりとり、扱いやすさ)

RAWよりJPEGの方が圧倒的に互換性が高くてデータの受け渡し、送受信、保存・保管がしやすいです。

RAWは、カメラメーカー、もしくはカメラごとに種類が異なっていて、JPEGのようにメーカー間、もしくはカメラ間で互換性がありません。

そのため、一般的な画像編集アプリ(ソフト)や共通のアプリ(ソフト)では開くことすらできません。

カメラメーカー、もしくはカメラごとのアプリ(ソフト)か、サードパティー製のアプリ(ソフト)が必要になります。

RAWに互換性を持たせるための対策がありますので、下記で後述します。

3. 色調情報の量、豊富さ

RAWは、JPEGより非常に豊富な色調情報、階調を保持しています。

クオリティを求める方にとって、RAWとJPEGの違い、RAWのもっとも大きなメリットは色調情報、階調の差です。

その違い、差の理由は、RAWが生成される過程にあります。

RAWが生成される過程

RAWが生成される過程とは、

シャッターを切ると、レンズを通った光をフィルムに相当するイメージセンサーが受光します。

イメージセンサー

イメージセンサーは、その光の情報を光の三原色である「R:Red」「G:Green」「B:Blue」の色の成分、情報を別々に持ったデータとして生成します。

そのデータを、そのままの状態で保存しているのがRAWです。

この過程において、何の処理もしていないままのデータだから非常に豊富な色調情報を保持しているわけです。

一方、JPEGは、このRAWデータから合成処理などを経て、カメラのアルゴリズムによって自動で色調補正された後、圧縮保存された画像データです。

この処理によって、RAWが保持していた豊富な色調情報、階調を失い、また圧縮による間引きによって、再現力、クオリティ、画質が劣化してしまいます。

RAWのくわしい解説を、下記の記事でしています。

RAWとは【RAWの意味〜現像の意味・効果まで、まとめて解説】

4. 色調の再現力(=クオリティ)

RAWの方がJPEGより、非常に豊富な色調情報、階調を保持しているため、色調の再現力(=クオリティ)はRAWの方が高く、少なくともJPEGより劣ることはありません。

RAWの特徴から、カメラのイメージセンサーが生成した色調情報をどれくらい再現できているかがクオリティ、品質の分かれ目になるでしょう。

つまり、「3. 色調情報の量、豊富さ」を最大に生かした写真に再現できているかがRAWの最大のメリットでJPEGとの最大の違いです。

その効果は、立体感、臨場感、テクスチャー、質感、表情、状態、奥行き、メリハリなど、JPEGより実現することが可能です。

もし、再現力を求めない表現をしたい場合や発色のキレイさを重視する場合は、JPEGで十分なのかも知れません。

目視で確認できるRAWとJPEGの再現力、クオリティの違いは、圧倒的に違う画像~僅差な違いの画像までありますが、それは被写体によって程度が異なります。

5. 画質

ボケ、解像感、ザラつきなどの画質は、画像のサイズ、大きさ、解像度にもっとも依存します。

ですので、画像を拡大して使う場合に顕著な違いが現れます。

例えば、大切な写真として大判でプリントしたい場合には、JPEGよりRAWの方が有利です。

写真の本当の「美しさ」を伝えられるのは、何といってもプリントでの表現だと思います。

プリントやポスター、写真集などで使用するくらいの大きさ、サイズになると、画質の違いが出やすくなります。

このようケースでは、JPEGよりRAWの方がおすすめです。

一方、ディスプレー、モニター、画面で見る場合は、さほどの違いはなく、目視では目立たない差だと思います。

RAWとJPEGの違い5点 、それぞれの対策

RAWとJPEGの違う点 <1〜5> の対策方法を、1点づつ解説します。

「1. データの容量(フォイルサイズ、データの大きさ、重さ)」の対策

RAWを現像補正後に、必要最小限の解像度・サイズにして、データ容量を圧縮できるファイル形式で保存、保管します。

このとき、JPEG形式で保存、保管すれば、大幅にデータ容量を小さくすることができます。

注意したい点は、通常、繰り返しJPEG保存を行うと、そのたびに圧縮しますので画質は劣化していきます。

しかし、「Photoshop 」を使ってJPEG保存を行うと、目視でわかる劣化は起こりづらいです。

「Photoshop 」では、JPEG保存時に画質のレベルを選ぶことができます。

高画質に設定するほどデータ容量は大きくなりますが、それでも、かなり小さくすることができます。

最高画質での保存ですと、数回程度の繰り返し保存なら目視でわかるほどの劣化はほぼ起こりません。

低画質に設定するほどデータ容量はより小さくなりますが、目視でわかるくらい明らかな画質の劣化が起こります。

JPEGの場合、1度劣化したJPEG画像は元には戻せませんので、この点にも注意が必要です。

「2. 互換性(データのやりとり、撮り扱いやすさ)」 の対策

現像アプリ(ソフト)で「DNG」形式で保存すると、共有できるRAWとして保存・保管でき、いくつかの一般的な画像アプリ(ソフト)で開くことができるようになります。

「DNG」は、RAWより15~20%程度、ファイルサイズを小さくできるメリットもあります。

圧縮すると、RAWよりかなりファイルサイズを小さくすることもできます。

ただし、「DNG」は、直接、編集結果が直接データに書き込まれる点が「RAW」とは異なります。

保険として元のRAWを保存することもできますが、その分、ファイルサイズは大きくなります。

「3. 色調情報の量、豊富さ」 と「4. 色調の再現力(=クオリティ)」の対策

1度、保存してしまったJPEGから、RAWで保持していた「3. 色調情報の量、豊富さ」 と「4. 色調の再現力(=クオリティ)」を復活させることは不可能です。

画像によってRAWとの色調再現は僅差の場合もありますが、圧倒的な差、明らかに違うケースでは、RAWから現像して仕上げるより方法がない場合がほとんです。

下記の<RAWとJPEGの違いを比較>の表では、色調情報の量、豊富さを表すRAWとJPEGの「ビット数」、「階調数」の数値を示しています。

「階調数」が圧倒的に違うことが確認できますが、同じJPEGであっても「階調数」が多い画像を補正した場合と少ない画像を補正した場合とでは、クオリティの結果は異なります。

ですので、「階調数」が少なくなるJPEGで保存する場合は「階調数」が多い画像で補正処理した後に行いましょう。

「5. 画質」の対策

目視、あるいはプリントなど、使用目的に合った方法で確認したとき、もし気になるレベルならRAWを試してみるべきだと思います。

現像やその後の補正で、再現力が増すことでシャープ感が出て画質が大きく変わるケースはたくさんあります。

下記の<RAWとJPEGの違いを比較>の表で、RAWとJPEGの違いを比較し数値でも示していますが、元々の画像のスペックが違い過ぎています。

この違い、差は、画像が大きくなるにつれて顕著になります。

画像の大きさ・サイズ、解像度の調整の基本的な手順は、使用目的や使用サイズが決まってから調整しましょう。

データの保管方法と使用目的に応じた画像の解像度、保存方法について、下記の記事で解説しています。

RAW画像【データの「保管」と「保存」での注意点と方法】

RAWとJPEGの違いをまとめた表

RAWとJPEGの違いを比較

※ ビット数 とは

画像を拡大するとわかりますが、画像は四角いピクセルの集合で構成されています。

その1ピクセルが持っているカラー情報の量を表しています。

その最小単位が「ビット」です。

ビット数が多いほど、多くのカラー情報の量、つまり、表現できる色の数、階調の数を表現できます。

※ 階調 とは

明暗、濃淡が変化する段階のことです。

段階の数、つまり、階調数が多くなるほど緩やかで滑らかな明暗、濃淡の変化(グラデーション)を表現することができます。

ビット数が多くなると表現できる色数、階調数が多くなるので、明暗、濃淡の変化は緩やかで滑らかに表現することができます。

例えば、階段の段数が細かく多くなると、いずれ段差のないフラットなスロープになります。

逆に、階段の段数が少なくなると、階段は1段1段の高低差が急激になっていきます。

階調も同様で、緩やかで滑らかに変化していくと、実態に近く、美しい階調・色調の写真になります。

(この実現が現像、色調補正を行う本質です!)

下記の画像は、階調を表しています。

上下に2段、その上段、右端の「1番」〜左端の「22番」までが階調の段階です。

この段階数が多くなるほど、下段のような緩やかで滑らかな連続調のグラデーションの階調になります。

「階調」を、やさしく、くわしく画像を使って下記の記事で解説しています。

写真・画像の色調【「階調」とは?やさしく、くわしく画像で解説】

「RAW」と「撮って出しJPEG」を画像で比較した実例

「RAW」と「撮って出しJPEG」を画像で比較してみると、色調の再現力、クオリティの違いがよくわかります。

「撮って出しJPEG」とは、デジタルカメラやスマートフォンで撮影し、撮ったままで保存されているJPEG画像のことです。

下記の画像は、「RAWを現像した画像」です。

RAWを現像した画像

下記は、「撮って出しJPEG」です。

撮って出しJPEG

この画像のように、白くて明るい部分と黒くて暗い部分がある画像は顕著な違いが出ます。

白い雲や森の木々の黒くて暗い部分に、大きな違いがあります。

単純な明るさの調整はできますが、「撮って出しJPEG」には白い雲や森の木々の黒くて暗い部分には階調がほぼありません。

ですので、「撮って出しJPEG」を使って補正しても「RAWを現像した画像」のような再現力、クオリティの実現は不可能です。

下記の記事では、別の画像を使ったRAWとJPEGの違いを比較、解説しています。

画像の色調補正【JPEGとRAWの違いを比較「美ヶ原高原」編】

上記の記事では「美ヶ原高原」で撮った画像を使っていますが、別の地での画像を使った「JPEGとRAWの違いを比較」を解説しています。

RAWの特徴

RAW とは

一眼レフカメラやミラーレスカメラ、一部のコンパクトデジカメやスマートフォンで書き出すことができる無処理の色調情報を保持したデータです。

「RAW」と「現像」について、下記の記事でくわしく解説しています。

RAWとは【RAWの意味〜現像の意味・効果まで、まとめて解説】

おもな特徴

・ JPEGのようなカラー画像ではなく、R(赤)・G(緑)・B(青)3色の色調情報を1つづつ、別々に記録しているデータ

・ イメージセンサーが出力したままの無処理の状態で保存されているデータ

・ 非常に豊富な色調情報を保持している

・ 繰り返し編集しても劣化しない

・ 他メーカー、場合によっては他カメラとの互換性がない

・ 鑑賞、編集するためには、専用の現像アプリ(ソフト)が必要

RAWの「メリット」と「デメリット」

メリット

RAWを使うメリットです。

・ 撮影時のカメラ設定に依存しないで現像の調整でカバーできる

・ 豊富な色調情報を保持している

・ 幅の広い色調補正や表現が可能

・ 非圧縮(一部を除き)、無処理のため、画質に劣化がない

・ 色調補正などの編集作業を繰り返してもRAWデータには画質の劣化は起こらない

・ 色調情報に劣化がないため、JPEGよりも再現力、クオリティーの高い写真に仕上げられる

・ 色調情報に劣化がないため、JPEGよりもオリジナリティーの高い写真が作成できる

・ 100%のオリジナル写真、オリジナルの作品になる

・ 色調補正は、RAWから行なった方が簡単

・ RAWなら、見えなくなっている階調を再現できる可能性が高い

デメリット

RAWを使うデメリットです。

・ RAWのメリットを生かすためには、現像と色調補正のスキルが必要

・ 現像のスキル、色調補正のスキルが高いほどRAWのメリットは大きくなる

・ 容量が大きいので、JPEGよりデータの保管コストが大きくなる

・ データ容量が大きいため、パソコンなどの機器の性能が作業時間や保存時間に影響する可能性がある

・ データの互換性がない

・ メーカー、または、カメラごとの現像アプリ(ソフト)、もしくはサードパーティー製の現像アプリ(ソフト)が必要

・ 万が一、現像アプリ(ソフト)のサポートを止めてしまった場合、データを見ることすらできなくなる可能性がある

下記の記事で、RAWの特徴、メリットとデメリットをくわしく解説しています。

RAW画像【データの特徴「メリット」と「デメリット」】

まとめ

RAWとJPEGの違いは、おもに下記の5点です。

RAWとJPEGの違い5点

1. データの容量(フォイルサイズ、データの大きさ、重さ)

2. 互換性(データのやりとり、撮り扱いやすさ)

3. 色調情報の量、豊富さ

4. 色調の再現力(=クオリティ)

5. 画質

上記の5点の違いを解決する、それぞれの対策も解説しました。

5点の中で、もっとも違う点は「3. 色調情報の量、豊富さ」と「4. 色調の再現力(=クオリティ)」です。

その理由であるRAWとJPEGが保存されるまでの過程と画像を比較し、ビットと階調についても解説しました。

さらに、RAWの特徴、メリットとデメリットを解説しました。

おさらい

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この記事を書いた人

写真・画像編集(補正/加工)/プリンティング・ディレクションの専門家

[ 処理点数:数十万点以上 ]
[ 実務年数:20年以上 ]

<経歴>
・スキャニング
・デジタル画像編集(現像・色調補正・加工処理)
・プリンティング・ディレクター
・カラーマネジメント
・Photoshop
・CameraRaw

<実績>
・国内海外の巨匠〜新進の写真家
・海外トップ ファッションブランド
・国公立美術館
・企業
 など
写真集・作品集・プリント・他、多数

<趣味>
登山〜街歩き・カメラ・野球観戦・音楽/映画鑑賞

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