小学5年生、当時の投球フォームについて記しています。
この頃は、まだ、今では常識となっている投球動作が広まっていないために苦心したことなどを記しています。
小学時代【 投球 】
投球の身体の使い方
科学的な理論に裏付けられた投球とバッティングの動作が提唱され始めたのは1990年代頃からだったと思います。
それまでは、選手の経験、感覚や写真のフォームなどをベースに考え出された(多分です)投球とバッティングのフォームが言い伝えられ指導されていた時代でした。
前者と後者を大雑把ですが時代で区分して、前者を「平成以降」、後者を「昭和以前」として書いていきます。
平成以降と昭和以前の投球フォームの違いは、一見してもっとも目にとまるところは投げ手の腕の使い方でしょう。
平成以降の投球フォームは、肘から上げていく小さくコンパクトなテイクバックに変化し、今ではご存知のようにほとんどの投手がこれを採用しています。
メリットは、肩の負担を少なくすることとトップといわれるボールを握った手が後頭部のあたりに位置するタイミングが簡単になる点が挙げられます。
他にもメリットがあるのですが、肩の負担を少なくできることは球数を投げる投手、特に成長期の小学生にとって非常に大きいメリットです。
また、トップをしっかり作ることも肩の故障に関わっているのですが、パフォーマンスに大きく影響します。
ですので、テイクバックについては、トップをスムーズに、しっかり作ることを追求して修得を目指しました。
平成以降の理論に裏付けされた「基礎基本の身体の使い方」でボールを投げる効果
息子が小学生になった頃から、理論的に裏付けされた「基礎基本の身体の使い方」が普及し始めた時期でした。
この「基礎基本の身体の使い方」でボールを投げる投球動作は、万人に球速と制球力の効果をもたらします。
疲労、故障にも効果があり、身体が壊れてしまわない身体の使い方でもあるわけです。
しかし、当時はこうした身体の使い方をしている選手はまだ希少でした。
勝敗も目標にしている球団は、地元の野球が上手い子どもをマークしています。
しかし、突然現れたノーマークだった息子のパフォーマンスに、移籍後のチームの指導者からは驚きの声がありました。
昭和以前の投球フォーム
以前は、投げ手の腕を後ろへぐるっと回し担ぐ(かつぐ)ようにして頭のところまで拳を上げるテイクバックで投げるのが主流でした。
「担ぎ投げ(かつぎなげ)」と言われる投げ方です。
僕の選手時代、昭和時代のボールの投げ方の主流は下記のような感じでした。
・テイクバックは投げ手の腕を後ろへ大きく回して頭の上まで上げる
・下半身を使って投げる
・後ろの足で蹴る
・身体が開かないように、前足のひざは内側へ絞る
・身体が開かないように、前足着地の時、前肩は胸の向きへ閉じておく
・投げ手の腕は、ぐるっと後ろへ回して拳が頭の高さまで上がったら、上から下へ腕を振る
などなどで、、、、よく「腕を振れ」と言われていたので、速く、速くと念じながら、一生懸命かつ真面目に振りまくっていました。
しかし、そうは言われても、具体的に身体をどう使うのかまでは説明がなかったりしました。
例えば、下半身を使って投げるとは、下半身をどのように使うのか、具体的で納得できる説明を聞いたことがありませんでした。
息子が小学性だった頃は、まだ、こうした指導をされ、こうした投げ方をしている投手が多かったのです。
当時の現場の環境
今でこそ、日本の野球の現場では理論的に裏付けされた「基礎基本の身体の使い方」の指導へと進化しましたが、当時はまだ旧態依然とした考え方が大方だったと思います。
ですので、僕らは、まずその壁にぶつかってしまうことが度々ありました。
例えば、昭和時代のボールの投げ方を指導された時の息子の顔に出る拒絶反応は、見てわかるほどでした。
選手時代の経歴、実績がどんなに立派でも、ボールの投げ方、バッティングのスイングの真相、真理は息子の方が知っている状況でした。
息子にとっては真理でないこと、理不尽なことを言われているわけです。
ですので、まったく受け入れられないわけです。
この程度の状況はまだよい方で、苦渋の決断を迫られることもありました。
簡単に言えば、言うこと聞かないと試合で使わない、などです。
これくらいは、まだよい方でした。
今では、理論的な指導と選手ファーストの環境が普及していますが、当時はなかなか受け入れられず旧態依然とした大人たちに対抗しなければならなかったわけです。
当然、非常に厳しい犠牲を強いられたこともあったわけです。
対抗 〜 闘った理由
対抗した理由は言うまでもないのですが、少なくとも子どもが見ていますので、大人の都合、事情を言い訳にはできません。
(大人だけの世界なら、面倒なので無視しちゃいますけど・・・・)
真理に則っていなければ、上達、進歩していくことは不可能です。
地球では、太陽は東から登り、水は高いところから低いところへ流れるわけです。
この真理に抗って、実戦の最前線、第一線で通用するはずはありません。
移籍してきた新チームは、とても寛容で理解をして頂ける指導者、スタッフでしたので、野球に専念して取り組むことができました。
息子が望む環境で野球をすることができて、息子は夢中で野球に取り組んでいました。
(勉強もこれくらいやってくれていたら・・・・)
つまり、選手の満足、幸せは大人次第なのです。
主役は選手、子どもたちです。
繰り返しになりますが、
大人たちの役割は、選手の支援、応援です。
主役の選手、子どもたちの満足や達成感、充実感や幸福のために、指導、支援、応援をするべきだと思っています。
投球動作のウソは、故障につながります。
重症のケースでは、生涯、治癒しないことがあります。
ですから、闘うのです。
コメント