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画面、モニターだとキレイな色なのに、プリント、印刷するとくすんで暗くなったりして、色が変わってしまうことがよくあります。
その理由の解説と改善方法の提案もしています。
画面で見た写真の色調が、プリントすると暗くなったり、色が変わってしまう理由
![](https://hira-ibin.com/wp-content/uploads/2023/03/2017.04.09-横浜・三ツ沢公園_DSC6565-1.jpg)
![](https://hira-ibin.com/wp-content/uploads/2023/03/2017.04.09-横浜・三ツ沢公園_DSC6565-1.jpg)
画面、モニターだとキレイな色なのに、プリント、印刷するとくすんで暗くなったりして、色が変わってしまうことがよくあります。
色が変わってしまう、おもな理由3つの解説と改善方法の提案もしています。
色が変わってしまう、おもな理由
画面、モニターで見た写真の色調が、プリントや印刷するとくすんで暗くなったり、色が変わってしまう理由は、おもに下記の3つが考えられます。
① プリント、印刷するとRGBカラーの画像がCMYKカラーの画像に変換、色が置き換わるため
② 画面、モニターで見た色をあてにして写真の色調を調整しているため
③ カメラ、スマホなどに保存されている画像をそのまま使っているため
下記では、この3つの理由について、解説していきます。
色が変わってしまう、おもな理由 ① の解説
色が変わってしまう、おもな理由、
「① プリント、印刷するとRGBカラーの画像がCMYKカラーの画像に変換、色が置き換わるため」
この理由について解説します。
画面、モニターで見ている色はRGBカラーですべての色を発色、再現しています。
しかし、プリント、印刷の色はCMYKカラーですべての色を発色、再現しています。
したがって、プリント、印刷するにはRGBカラーからCMYKカラーに変換し、色を置き換える必要があります。
この変換、色の置き換えによって、色がくすみ暗くなったり色が変わってしまいます。
特に彩度が高い鮮やかな色ほどくすむため、色が大きく変わった印象になります。
下記の画像は、RGBカラーの画像をCMYKカラーの画像に変換した例です。
おおむね、プリント、印刷したとき、この程度の色の変化が生じます。
RGBカラーの画像
![](https://hira-ibin.com/wp-content/uploads/2024/02/カラーRGB_RAW補正済_小田原城・戸川公園・山北駅_DSC1515-1.jpg)
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CMYKカラーの画像
![](https://hira-ibin.com/wp-content/uploads/2024/02/カラーYMCK_RAW補正済_小田原城・戸川公園・山北駅_DSC1515-1.jpg)
![](https://hira-ibin.com/wp-content/uploads/2024/02/カラーYMCK_RAW補正済_小田原城・戸川公園・山北駅_DSC1515-1.jpg)
いかがでしょうか。
明らかに彩度が下がって、鮮やかな色はくすんでいるのがわかると思います。
くすむ理由は、RGBカラーとCMYKカラーの違いにあります。
下記では、RGBカラーとCMYKカラーについて解説します。
「RGB」カラーと「CMYK」カラー とは
画面、モニターで見ているRGBのカラーとプリントや印刷物のCMYKのカラーは、それぞれ元になっている原色があって、その原色の配分を変え混ぜ合わせてすべての色を発色しています。
元になっている原色は、画面、モニターで見ているRGBのカラーとプリントや印刷物のCMYKのカラーとでは異なっています。
画面、モニターのRGBカラーは、「光の三原色」というRGB { R: ( Red:赤 ) 、 G:( Green:緑 )、B:( Blue:青 ) } の3色が原色で、この原色の配分を変え混ぜ合わせてすべての色を発色、再現させています。
プリントや印刷物は、「色の三原色」というCMY { C:Cyan(シアン)、 M:Magenta (マゼンタ)、Y:Yellow(イエロー) } の3色が原色で、この原色の配分を変え混ぜ合わせてすべての色を発色、再現させています。
そして、この原色の3色に K : Biack(ブラック)} を補色として足すことで、暗部の黒をより真っ黒くしてしまりのある色調にしています。
RGBカラーとCMYKカラーは、発色、再現できる色数、色の範囲が違う
画面、モニターのRGBカラーとプリントや印刷物のCMYKカラーは、発色、再現できる色数、色の範囲が大きく違います。
光の三原色「RGB」の方が色の三原色「CMY+K」よりたくさんの色、広い範囲の色を発色、再現させることができます。
下図は、RGBカラーとCMYKカラーが再現できる色の範囲を現しています。
RGBカラーは「Adobe RGB」と「sRGB」の2つ、CMYKカラーは「CMYK」のみの範囲をケイで囲んでいます。
同じRGB カラーでも、「Adobe RGB」と「sRGB」では再現できる色の範囲、色数が違います。
どちらのRGBカラーもCMYKカラーより再現できる色の範囲が広く色数が多いことがわかります。
RGBとCMYMが発色、色再現できる範囲を表した図
![](https://hira-ibin.com/wp-content/uploads/2022/06/色域_図.png)
![](https://hira-ibin.com/wp-content/uploads/2022/06/色域_図.png)
画面、モニターの色は「光の三原色RGB」ですべての色を発色しているのに対して、プリントや印刷物は「色の三原色CMY+K」ですべての色を発色しています。
「色の三原色CMY+K」の色数、再現できる色の範囲は「光の三原色RGB」の色数、再現できる色の範囲より狭いため、再現できない色があります。
そのため、CMYKカラーに変換するとき、再現できない色をCMYKカラーで再現できる近い色へ変換、色の置き換えを行う必要があるわけです。
繰り返し、解説しておきます・・・・
上図の<「RGB」と「CMYK」が発色、色再現できる範囲 >が示すように、「CMYK」の範囲は「Adobe RGB」と「sRGB」より発色、再現できる範囲が狭く、特に彩度が高い鮮やかな色は発色、再現できないことが分かります。
では、どうするかというと、発色、再現できない彩度が高い鮮やかな色は、発色、再現できる範囲内の近い色に変換、置き換えられることになるわけです。
「CMYK」の範囲内には彩度が高い鮮やかな近い色はないので、それよりくすんだ近い色に変換、置き換わります。
この色の変換、置き換えが原因で、画面、モニターで見た彩度が高い鮮やかな色は、プリントや印刷物にすると同じ色にはならずにくすんで暗くなったりするわけです。
高価なプリンターでは、この対策として「色の三原色CMY+K」の他にインクの色数を増やして、「RGB」の発色、色再現に近くなるような対策をしています。
RGBカラーの色再現に近づけられるプリンターほど、インクの色数は多くなり高価になります。
RGBカラーとCMYMカラーを、もっと詳しく解説
「Photoshop」で、RGBからCMYKに置き換わる色を確認する方法を解説
色が変わってしまう、おもな理由 ② の解説
色が変わってしまう、おもな理由、
「② 画面、モニターで見た色をあてにして写真の色調を調整しているため」
この理由について解説します。
プロが使うモニターの発色、明暗は、プリント、印刷物と同じになるように調整、管理されています。
ですが、一般のご家庭で使うモニターはそうではありません。
したがって、モニターで見て、いくらきれいに色調を調整したとしても、プリントや印刷物は違う色調になるのが普通です。
また、モニターの色はその機器固有の色ですので、別のモニターではまったく同じ色には映りません。
では、管理、調整されていないモニターでは不可能かというとそうではありません。
プリントや印刷物を目的とした色調補正は可能です。
実はモニターの色もプリントや印刷物の色も数値で管理されています。
プロは、この数値を見て色調を判断しています。
ですので、モニターの色に依存していないのです。
この方法は経験とスキルが必要ですが、方法が解れば一般の方でも短時間で色の検討をつけることはできるようになると思います。
カメラがフィルムの時代は、カメラ屋さん、プリント屋さん、もしくは印刷会社の専門スタッフが写真の色調補正をしていました。
つまり、プリント、印刷したとき、写真の色調はこうなるというルール、基準を理解している人たちが色調を補正していたわけです。
ですから、こうして作られたプリント、印刷物は比較的キレイに仕上がりました。
しかし、デジタルカメラになってからはカメラが自動で補正し保存した画像やご自身で色調補正をした画像を使うケースが増えています。
ですので、なおのことプリント、印刷物とは色が合うはずもないのです。
また、画面、モニターは発光して発色していますので、それだけでもプリント、印刷よりもキレイに目に映ります。
色が変わってしまう、おもな理由 ③ の解説
色が変わってしまう、おもな理由、
「③ カメラ、スマホなどに保存されている画像をそのまま使っているため」
この理由について解説します。
カメラ、スマホなどに保存されている画像は、その機器のアルゴリズム(処理をする手順、方法、ルール)によって、色調補正された画像です。
ですので、適正で最善の補正が行われてはいないことが多々あります。
そして、画面、モニターで見た色とプリント、印刷の色が合うように補正されているわけでもありません。
ですので、画面、モニターで見た色とプリント、印刷との色が合わない、色が変わってしまうのは当然のことと言えます。
改善方法
画面、モニターで見た色とプリント、印刷との色を合わせることは一般の方には方法や設備の面からも困難だと思います。
ですので、ストライクゾーンを広くし、プリント、印刷の色が合っていなくてもキレイな色調でプリント、印刷できていたなら良しとする考え方もあると思います。
この場合、まずプリント、印刷したときの色調の傾向をつかんでおき、それをベースに画像の色調補正をしておくという方法がよいと思います。
これですと、納得できる範囲の色調に近づいていくと思います。
また、可能であればですが、ご自分でCMYKカラーに変換してみると、事前にある程度の色調の変化が予想できまます。
、色調補正を行って画像のクオリティーを高める方法です。
もし、撮影に使うカメラ、スマホがRAWというデータを保存できるのであれば、RAWデータを使うことで、最も色調の再現力が高い画像が得られます。
どうしてもある程度のスキルは必要ですが、画面、モニターで見た色とプリント、印刷との色を合わせることより簡単だと思います。
画像の色調【色調補正の原理「基礎・基本」の方法で実現できる最高の再現力】
まとめ
画面、モニターで見た写真の色調が、プリントすると暗くなったり、くすんだりして、色が変わってしまう理由は、おもに下記の3つです。
① プリント、印刷するとRGBカラーの画像がCMYKカラーの画像に変換、置き換わるため
② 画面、モニターで見た色をあてにして写真の色調を調整しているため
③ カメラ、スマホなどに保存されている画像をそのまま使っているため
昨今の 印刷は安い早いが主流になっています。
では品質はというと、やはり、それなりです。
理由は簡単です。
プリンターと同じように、一定のインク量でさっと印刷するからです。
時間、コストがかかる調整はほとんどすることはなく、印刷で色調の加減を調整することはしないと思います。
例えば、色調に高品質を求められる写真集のような印刷は、インク量の微細な調整はもちろんですが、その他の変動する要素の調整、また刷版(ハンコの役割をする板)の繊細な調整と出力し直しなどを行って、目標の色調を再現するために最善を尽くします。
また、事前にクオリティーに応じて画像の緻密な色調補正を行い、試し刷り(色校正)を複数回行い、都度、画像の色調補正の修正も行います。
従って、コストがかかります。
高価なプリントや写真集のような高品質の印刷物は、こうした工程を繰り返して完成しています。
デジタル印刷ですと印刷での工程が少なくもっと簡単ですが、画像の色調補正は同様に必要になります。
いずれにしても、画像の色調が悪ければ印刷ではどうにもなりませんので、何よりも画像の色調をしっかりと仕上げること重要です。
ご自分で色調補正ができない場合は、コストは増えますが、画像の色調補正も依頼しまうのがもっとも確実な方法です。
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