小学時代【 ”選手ファースト”とは 】

僕が野球動作とコーチングの研修中に、最も心に響いたことが ”選手ファースト”の思想、考え方でした。

僕が球児の時代では、”選手ファースト”の思想、考え方はあったのかもしれませんが、当時の環境はまるで違っていました。

練習中、試合中の水分補給はありませんし、ミスをすればガツン、ボコンは当たり前でしたし、練習量と根性論がすべてのようでした。

試合に合わせた調整や疲労、故障防止のコンディショニングなど、そんな考え方すらありませんでした・・・・

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小学時代【 ”選手ファースト”とは 】

「選手ファースト」とは

「選手ファースト」とは、僕の理解では、大人の事情や都合から導かれた方法や運営、結論からの実践ではなく、選手が主役で、選手のために導かれた方法や運営、結論からの実践を指していると思っています。

簡単に言えば、選手がこうなりたい、こうしたいと望むなら、そうなれるように支援し応援をする思想、考え方、実践のことだと理解しています。

僕らの時代は、楽しむことより、苦しみ得ることを良しとする考え方、傾向が圧倒的多数だったと思います。

ですので、部活動の練習は苦しい厳しいが大前提で優先され、楽しんでやっても上手くならないかのような迷信が常識となっていました。

確かに、苦しい厳しいは必要ですし、その体験が人間力の成長の糧になることは間違いないでしょう。

しかし、選手はそれを望んでいるのでしょうか。

おそらく、ほとんどの選手は、憧れの選手のようになりたくて、目標のため上手くなりたくて、試合で結果を出すために練習をするのだと思います。

苦しい厳しいは覚悟していても、それありきではありません。

目標、目的達成の過程に、苦しい厳しい場面が自然と必要不可欠としてあるのだと思います。

それは、誰かの都合で与えるようなものではないと思っています。

寒いところへ行けば寒く、暑いところへ行けば暑いのと同じではないかと思います。

プロ野球選手になれるのは、ごくごく一部の選手だけです。

それ以外のほとんどの選手は高校野球までで野球を終え、プロ野球選手になる夢をあきらめることになります。

まだ、大人になりきる前に現実を受け入れなくてならないのですから、主役の子ども、選手のために、精一杯の支援、応援をしたいと思います。

研修現場の思想、考え方

野球動作とコーチング研修の現場で、根幹となっていた思想、考え方が ”選手ファースト” でした。

指導を受ける選手の要望を聞き、その要望に応えることがすべてでした。

これが、当たり前の考え方で、徹底されていました。

選手の要望を聞くことをせずに、指導することはありません。

頭ごなしに、押し付けるような指導は、そもそも、思想、考え方としてありませんでした。

ホームランバッターになりたいと望めば、ホームランを打つための取り組み、指導をします。

球速をあげたいと望めば、球速があがるための取り組み、指導をします。

まず、選手の要望を聞き、選手の要望を満たすための取り組み、指導をしていたのです。

研修を受けていた、その当時の指導

僕が研修を受けていた、その当時は、まだまだ、チームの監督、指導者、スタッフファーストの時代でした。

例えば、体の小さな選手がホームランバッターになりたいと思っていたとしても、僕の時代でなら、体が小さいんだから長打は打てない、バットを短く持って、引っ張らないで、上から小さくスイングして、ミート中心で、逆方向を狙っていけ、と徹底的に指導されます。

また、エースの投手が本格派なら、2番手の投手は技巧派、サイドスローに変更させたりするケースもよくありました。

こうした方針のほとんどは、選手の要望ではなく、監督の都合によるものです。

また、その研修現場で指導し、動作が改善しパフォーマンスが上がってチームに戻ると、指導者に元に戻されパフォーマンスが落ちてしまい、その度にまた指導を受けに来るのだけど、チームに戻ると指導者から言うこと聞かないなら試合で使わないと言われ、苦しむ選手もいました。

こうした指導を受け、その通りに一生懸命に努力し結果がでなければ選手の責任です。

責任くらいならまだしも、選手生命には限りがあるのです。

おそらく、こうした事例は、日本中、多くのチームで起こっていたことだと思います。

当時はこれが普通の環境で、僕自身も息子もこの事例以上の経験をしています。

その環境は、選手自身の希望や目標より、指導者の都合や経験で選手の未来を決めてしまっているかのようでした。

もちろん、そうではないチームもあったと思いますし、選手に寄り添う指導者もいらっしゃいましたが・・・・

選手ファーストは指導者に求めるより、まず親が支援すること

僕は、選手ファーストは指導者に求めるより、まず親が支援することだと思っています。

例えば、自分の子をチームに預けたのだから、親は関係ないのではないと思います。

何が言いたいかと言うと、自分の子どものことなので、他力本願ではいけないと思うのです。

チームによっては、ボランティアで監督、コーチ、事務など、運営に関わっていらっしゃいます。

そうしたチームのほとんどは、親御さんの協力がなくては活動に支障をきたすか、活動ができなくなるのが実情だと思います。

ですので、可能な限り、まず親御さんが選手ファーストを実践し、チームの活動、選手の活動に協力をして、自分の子ども、選手のために支援をするべきだと思っています。

硬式野球は、毎週末には親御さんの活動もなかなか大変です。

ですが、なるべく活動に協力しながらグランド、試合会場へ足を運んで、ご自身の目でお子さんの状態を見ることは大事なことです。

僕の経験談ですが、息子の高校野球、夏の大会直前の練習試合でデッドボールを受け、同時に肉離れの負傷をしました。

僕は、このとき仕事で試合会場には行けず、帰宅後に肉離れの報告だけを聞きました。

夏大直前ということもあって、あせりながら色々な肉離れの処置をしました。

しかし、問題だったのは肉離れの方ではなかったのです。

肉離れにばかり気を取られてしまって、気づくことができませんでした。

そして、とうとう息子はグランドで高熱と痛みで動けなくってしまいました。

急いで病院へ行き診察を受けた結果、夏ということもあってデッドボールを受けた箇所がどんどん膿んでしまい、それがかなり進行した状態だったのです。

急遽、その箇所を取り除く手術をすることになりました。

医師から、あと少し遅かったら切断するしかありませんでしたと言われたときの気持ちは今でも忘れられません。

現場で見ておくべきだったと後悔しました。

手術後、患部には深くて大きな穴が空き、毎日の消毒には激痛を伴ったそうです。

そこが埋まり回復するまで、入院は長期に及びました。

学校によっては選手は100名程度おりますので、現実的に少数の指導者だけで全選手の心身までのケアは難しいと思います。

選手は、体調を聞かれれば大抵は大丈夫と答えるでしょう。

真実は、もしかすると親御さんにしか明かさないかも知れませんし、気づいてあげられないかも知れません。

ですので、可能な限り、選手のいる現場へ足を運べば、体調やモチベーションの変化などに気づけるかもしれません。

僕は、こうした実践も選手ファーストの一貫だと思っています。

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