本稿では、画像の「階調」について、わかりやすく解説しています。
画像の色調を最大に再現するためには、「階調」の理解と補正は必須です。
「階調」の解説では、イメージ画像と実際の画像を使ってわかりやすく解説しています。
再現力が高くなるほど、臨場感、立体感、リアリティーは増していきます。
本稿の記事
◯ 画像の色調【再現力を決める「階調」とは?わかりやすく解説】
・「階調」とは?
・「階調」とは?【モノクロの画像でイメージするとわかりやすい】
・「階調」とは?【カラー画像の色調も「階調」で再現されている】
・カラー画像の「階調」を、画像で確認
・画像の色調は、「階調」ありき
・カラー画像の「階調」を、画像とスケールで再確認
◯ まとめ
画像の色調【再現力を決める「階調」とは?わかりやすく解説】
「階調」とは?
写真・画像に写っている被写体の映像は、色を含めた明るさ暗さ、薄さ濃さの変化によって再現されています。
この色を含めた明るさ暗さ、薄さ濃さの変化の段階を「階調」といいます。
すべての写真・画像の色調は、「階調」で再現されています。
つまり、写真・画像の色調をコントロールしているのが「階調」です。
「階調」とは?【モノクロの画像でイメージするとわかりやすい】
「階調」モノクロでイメージすると、よりわかりやすくなると思います。
モノクロ写真は、下記の画像のように白〜黒の明暗(濃淡)の変化、段階によって色調が再現されています。
繰り返しになりますが、この明暗(濃淡)の変化、段階を「階調」といいます。
上記のカラー画像をモノクロにした画像
「階調」を、下記のような白〜黒のモノクロのスケールで表すことができます。
この「階調」を表すスケールは、上下2段になっていて、上段は右端の「1番」〜左端の「22番」まで、明〜暗(淡〜濃)・白〜黒への変化を、段階の変化で表しています。
「1番」がもっとも白く・明るく・淡く、「22番」がもっとも黒く・暗く・濃く変化した段階を表しています。
この段階数が細かく多くなるほど、下段のグラデーションのように、より緩やかで滑らかな美しい階調を再現できます。
下段も、右端がもっとも白く・明るく・淡く〜左端がもっとも黒く・暗く・濃く変化している連続調の階調を表しています。
「階調」とは?【カラー画像の色調も「階調」で再現されている】
カラー画像の色調も「階調」で再現されています。
カラーは「色」があるけど・・・と思われるかもしれませんが本当です。
冒頭にイメージとして使ったカラー画像を使って解説します。
まず、カラー画像の被写体のさまざまでたくさんの色は、どのようにして発色させているかを解説します。
たくさんの色を発色させるしくみは、絵の具のように色を混ぜ合わせることで、すべての色を表現しています。
その元になる色、原色があるわけです。
カラー画像には、下記の2種類のカラーモードがあり、それぞれに元になる色があります。
① RGB・・・・Web、スマホ、パソコンなどで見ている画像のカラーモード
② CMYK・・・・プリント、印刷で使用するカラーモード
RGB、CMYKのどちらも、元になる色の頭文字になっています。
「RGB」 は、[ R : Red (レッド)] [ G : Green (グリーン)] [ B : Blue (ブルー)] の頭文字です。
「CMYK」 は、[ C : Cyan (シアン)] [ M : Mazenta (マゼンタ)] [ Y : Yellow (イエロー)] [ K : Black (ブラック)] の頭文字です。
「RGB」の[ R : Red (レッド)] [ G : Green (グリーン)] [ B : Blue (ブルー)] は、光の三原色といいます。
下記の記事でくわしい解説をしています。
「CMYK」の[ C : Cyan (シアン)] [ M : Mazenta (マゼンタ)] [ Y : Yellow (イエロー)] は、色の三原色といいます。( [ K : Black (ブラック)] は、暗部をより黒くするための補色に使用しています。)
下記の記事でくわしい解説をしています。
カラー画像の「階調」を画像で確認
モノクロだけでなく、色のあるカラー画像も「階調」で再現されています。
こちらも画像を使って解説します。
CMYKのカラー画像の「階調」
繰り返しになりますが、CMYKのカラー画像の元の色は、[ C : Cyan (シアン)] [ M : Mazenta (マゼンタ)] [ Y : Yellow (イエロー)] [ K : Black (ブラック)] でした。
これらの色を混ぜ合わせて、すべての色と「階調」を再現しています。
CMYKのカラー画像
では、CMYKの元の色の「階調」がどうなっているかを見ていきましょう。
C : Cyan (シアン)の「階調」
M : Mazenta (マゼンタ)の「階調」
Y : Yellow (イエロー)の「階調」
K : Black (ブラック)の「階調」
それぞれの元の色で「階調」を表しています。
先ほどのモノクロの画像と同様の明暗・濃淡があります。
これが、CMYKのカラー画像の「階調」です。
CMYKのカラー画像は、プリントや印刷で使用するカラーモードです。
ですので、明るく淡い部分にはインクが弱くつき、暗く濃い部分にはインクが強くつくことを表しています。
CMYKすべてをプリント、刷り重ねるとカラー画像になります。
上の画像のように、たとえば、画像の同一の部分のC : Cyan (シアン)の「階調」が暗く濃い部分と Y : Yellow (イエロー)の「階調」の暗く濃い部分のインクが混ぜ合わせると、濃い緑色に発色します。
画像の同一の部分のM : Mazenta (マゼンタ)の「階調」が暗く濃い部分と Y : Yellow (イエロー)の「階調」の暗く濃い部分のインクが混ぜ合わせると、濃い赤色に発色します。
画像の同一の部分のC : Cyan (シアン)の「階調」が暗く濃い部分とM : Mazenta (マゼンタ)の暗く濃い部分のインクが混ぜ合わせると、濃い紫色に発色します。
このように、CMYKそれぞれの色の「階調」を変化させて、これを混ぜ合わせることによって発色と色の明暗・濃淡の「階調」を再現しています。
つまり、CMYKそれぞれの「階調」がCMYKカラー画像の色調を再現しているわけです。
RGBのカラー画像の「階調」
繰り返しになりますが、RGBのカラー画像の元の色は、[ R : Red (レッド)] [ G : Green (グリーン)] [ B : Blue (ブルー)] でした。
これらの色を混ぜ合わせて、すべての色と「階調」を再現しています。
RGBのカラー画像
では、RGBの元の色の「階調」がどうなっているかを見ていきましょう。
R : Red (レッド)の「階調」
G : Green (グリーン)の「階調」
B : Blue (ブルー)の「階調」
先ほどのCMYKと同様に、それぞれの元の色で「階調」を表しています。
これが、RGBのカラー画像の「階調」です。
RGBのカラー画像は、Web、スマホ、パソコンなどで見ている画像のカラーモードです。
上の画像のように、光の色であるRGBは、色が混ざり合うと元の色より明るくなります。
三色が混ざり合うと、もっとも明るい白になります。
色がある部分がそれぞれの元の色で明るくなり、色がない部分が黒くなります。
黒い部分が混ざり合うと、黒になります。
RGBすべてを重ねるとカラー画像になります。
RGBも同様に、それぞれの色の「階調」を変化させて、これを混ぜ合わせることによって発色と色の明暗・濃淡の「階調」を再現しています。
つまり、RGBそれぞれの「階調」がRGBカラー画像の色調を再現しているわけです。
色調補正の本質は「階調」の補正
これまでの解説で、「階調」が色調を再現していることを解説してきました。
「階調」のコントロールが、いかに重要かをご理解していただけたと思います。
色調補正の本質は「階調」の補正です。
色調のクオリティ、再現力は、「階調」をどれだけていねいに、繊細に、緻密にコントロール、補正するかに尽きます。
「階調」の補正は、色調補正やRAW現像でもっとも重要な普遍のスキルです。
このスキルさえ修得すれば、アプリ(ソフト)やあれこれツールに依存する必要はなくなります。
カラー画像の「階調」を画像とスケールで再確認
最後にもう1点、別のカラー画像のCMYKとRGBの「階調」も再確認しておきましょう。
先述の解説で使った「階調」を表すスケールも添付していますので、「階調」の段階的な変化を確認していただけます。
CMYKのカラー画像
C : Cyan (シアン)の「階調」
C : Cyan (シアン)の「階調」を表すスケール
M : Mazenta (マゼンタ)の「階調」
M : Mazenta (マゼンタ)の「階調」を表すスケール
Y : Yellow (イエロー)の「階調」
Y : Yellow (イエロー)の「階調」を表すスケール
K : Black (ブラック)の「階調」
K : Black (ブラック)の「階調」を表すスケール
RGBのカラー画像
R : Red (レッド)の「階調」
R : Red (レッド)の「階調」を表すスケール
G : Green (グリーン)の「階調」
G : Green (グリーン)の「階調」を表すスケール
B : Blue (ブルー)の「階調」
B : Blue (ブルー)の「階調」を表すスケール
まとめ
「階調」とは、写真・画像に写る映像の明暗(濃淡)の変化、段階のことです。
「階調」をイメージで示すと、下記のようなスケールで表すことができます。
すべての写真・画像(カラーも)の映像は、この「階調」によって再現されています。
写真・画像の色調の高いクオリティ、再現力は、「階調」をていねいにコントロールすることで実現できます。
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