本稿では、撮影した写真・画像の色調補正で、最も重要な「明るい部分」を補正する時のポイントを解説しています。
色調補正では、「明るい部分」の補正は必須の手順です。
画像の実例を使って、初心者の方向けにわかりやすく解説しています。
写真・画像の色調は、「明るい部分」の補正がうまくいくと、大半は美しく再現できます。
しかし、「明るい部分」の補正がうまくいかないと、99.9%、写真・画像が本来持っている色調の美しさ、再現力は表現できません。
何かを感じて撮った写真・画像だと思います。
ぜひ、本来持っている画像の色調を最大限に引き出して、その時の思いが「伝わる写真」に仕上げてください。
本稿の記事
◯ 画像の色調補正【最も重要な「明るい部分」を補正する時のポイント】
・画像の色調補正【「明るい部分」の補正のポイントと実例】
◯ まとめ
画像の色調補正【最も重要な「明るい部分」を補正する時のポイント】
色調補正の手順は、1番最初に「明るい部分」の補正を行います。
そして、色調補正の工程でもっとも重要なのが、この「明るい部分」の補正です。
「明るい部分」の補正がうまくいくと、画像が本来持っている色調の美しさ、再現力の大半は表現されます。
しかし、うまくいかないと、ほとんどのケースで画像が持っている色調の美しさも再現力も生かせません。
ですので、下記では、デジタル画像の色調補正で起こりがちな、実例3パターンと適正な補正をした実例を解説します。
わずかな差でも、明らかな違いになりますので、繊細な補正が必要になります。
実例3パターンと適正な補正をした画像との比較で、どれが、より「伝わる写真」かは歴然ですので、ぜひ、参考にしてみてください。
画像の色調補正【「明るい部分」の補正のポイントと実例】
繰り返しますが、「明るい部分」の補正がうまくできるかどうかで、クオリティの大半が決まるといって過言ではありません。
ですので、「明るい部分」の補正は、慎重に、ていねいに行なってみてください。
下記のように、補正の実例3パターンの画像をお見せし解説をします。
① 適度な「明るい部分」の補正例
② うまくいっていない「明るい部分」の補正例「A」
③ うまくいっていない「明るい部分」の補正例「B」
下記の画像を使います。
補正前の画像
① 適度な「明るい部分」の補正例
② うまくいっていない「明るい部分」の補正例「A」
③ うまくいっていない「明るい部分」の補正例「B」
「明るい部分」の補正例、3パターンの画像の解説
「補正前の画像」に対して、「明るい部分」のみを補正しています。
下記の3パターンの比較を解説します。
1. <補正前の画像>と<① 適度な「明るい部分」の補正例 >の比較
2. <① 適度な「明るい部分」の補正例 >と<② うまくいっていない「明るい部分」の補正例「A」>の比較
3. <① 適度な「明るい部分」の補正例 >と<③ うまくいっていない「明るい部分」の補正例「B」>の比較
繰り返しになりますが、画像内の「明るい部分」のすべてに補正の効果が働いていますが、「雲」の部分に着目し観察していただくとわかりやすいです。
1. <補正前の画像>と<① 適度な「明るい部分」の補正例 >の比較
<補正前の画像>は、
明るい部分の本来は白いはずのところが、よく見てみると薄いグレーのようになっていて、白くありません。
また、「明るい部分」の中で、明暗の差がないため平坦、フラットになっています。
たとえば、「雲」の凹凸がフラットでモクモク感があまり再現されていません。
「雲」だけでなく、画像内の「明るい部分」はすべてがこの状態になっています。
<① 適度な「明るい部分」の補正例 >は、
<補正前の画像>に対して、本来、「明るい部分」の白いところが適度に白くなっています。
そして、「明るい部分」の中の明〜暗の段階がしっかり再現されています。
たとえば、「雲」の凹凸、モクモク感がきちんと再現されていて、「雲」の様子が伝わってきます。
この補正効果は、山の斜面の草木にも同様に働いていますので、光が当たっているところとやや影になっているところの差、段階が再現されているので、草木の質感がより明確になっています。
2. <① 適度な「明るい部分」の補正例 >と<② うまくいっていない「明るい部分」の補正例「A」>の比較
<② うまくいっていない「明るい部分」の補正例「A」>は、
<① 適度な「明るい部分」の補正例 >に対し、「明るい部分」の中の暗いところが濃くなっているものの、本来は白いはずのところが白くなっていません。
そのため、ボリュームは増していますが、たとえば「雲」の凹凸、モクモク感は再現でされていません。
山の斜面の草木も同様の状態になっていて、光が当たって明るくなっているはずのところが、補正前のように暗くなっています。
3. <① 適度な「明るい部分」の補正例 >と<③ うまくいっていない「明るい部分」の補正例「B」>の比較
<③ うまくいっていない「明るい部分」の補正例「B」>は、
<① 適度な「明るい部分」の補正例 >に対し、一見すると、本来は「明るい部分」の白いところが白くなっているように見えます。
また、「明るい部分」の中の明暗の段階、差がしっかり再現されているようにも見えます。
しかし、よく観察してみると、「明るい部分」の中のもっとも明るく白いところが、きちんと明るく白くなっていません。
そのため、<① 適度な「明るい部分」の補正例 >のような「雲」の凹凸、モクモク感が再現されていません。
もちろん、山の斜面の草木も同様の状態になっています。
どちらが、雲の表情、様子が見る側に伝わるかは言うまでもありません。
明らかな差となっていますので、この差は写真の伝わり方まで変わってしまいます。
下記に、もう1度<① 適度な「明るい部分」の補正例 >と<③ うまくいっていない「明るい部分」の補正例「B」>の画像をご紹介しておきます。
① 適度な「明るい部分」の補正例
③ うまくいっていない「明るい部分」の補正例「B」
まとめ
冒頭で「明るい部分」の色調補正が重要だと解説させていただきましたが、その意味がご理解いただけたと思います。
「明るい部分」の色調補正とは、もっとも「明るい部分」の白さから「明るい部分」の中の暗いところまでの差を再現することがポイントです。
なぜなら、もっとも「明るい部分」の白さから、「明るい部分」の中の暗いところまでの差を再現できなければ、補正例の画像の「雲」のような表情、モクモク感を見る側に伝えることができません。
また、「明るい部分」の色調は、光が当たっているところの再現に関わっています。
光が当たっているところは、どういう再現ができたら美しくなるのかをイメージしながら進めてみましょう。
「明るい部分」の色調再現は、少しの補正の差が明確な再現力の差となるからです。
つまり、「明るい部分」を丁寧に繊細に補正ができれば、そうでない写真とは異なるレベルの再現力、美しさを表現できるはずです。
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