
本稿は、デジタルカメラで撮影した画像の色調情報を最大に生かすことで描写力、再現力を最も高く表現できる実現例をサンプル画像を使って比較し解説しています。
デジタルカメラだけでなくスマートフォンで撮影した画像を撮りっぱなしの画像、またはアプリで簡単、感覚的に補正した画像では、せっかく画像が記録している色調情報は生かしきれていない事がほとんどです。
画像が記録、保持している色調情報の階調・トーンを最適化することで、描写力、再現力を最大化することが可能になります。
カメラに保存されているJpeg 画像と階調・トーンを最適化した画像を比較し、どのように描写力、再現力に違いがあるのかをご覧いただけます。
サンプル画像は、多くの方が訪れる世界遺産「熊野古道」を歩き「大斎原」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」「熊野速玉大社」を参拝した時の画像を使用しています。
本稿は、色調にこだわりを持っている方に向けた記事です。
画像の色調【階調・トーンの補正が描写力・再現力を最大化する例_Vol.1】


デジタルカメラで撮影した画像の色調情報を最大に生かすことで描写力、再現力を最も高く表現できる実現例をサンプル画像を使って比較し解説しています。
カメラが記録している色調情報を最大に生かすためには、階調・トーンを最適化する補正を行う必要があります。
階調・トーンとは、明るさ・暗さの変化、段階のことで、モノクロ写真の単色やカラー写真のすべての色は、明るさ・暗さの変化で再現されています。
階調・トーンの最適化とは、明るく淡い色調〜暗く濃い色調までの階調・トーンの変化、段階を最適に補正することです。
例えば、階段の段差がバラバラの階段より、全ての段差が均等な方が段差の変化は滑らかになり歩行はスムーズになります。
これと同じように、階調・トーンの変化、段階を均等に補正することで、描写力、再現力は滑らかで最大になります。
その結果、臨場感、立体感、質感、テクスチャー、光感、奥行き感の描写力、再現力は最も高くなります。
本稿では、多くの方が訪れ写真を撮る機会も多い世界遺産「熊野古道」を歩き「大斎原」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」「熊野速玉大社」を参拝した時の画像を使用しています。
※ カメラのJpeg 画像とは、撮影するとすぐに色調補正などの画像編集をカメラのアルゴリズムで処理した後にカメラに保存されている Jpeg ( JPG、jpg、jpeg、JPEG ) 画像です。
※ 描写力・再現力を最大化した画像とは、階調・トーンを適正に補正した画像です。適正の範囲からさらに強調することは可能ですが、本稿では誇張せずに適正の範囲内で補正を行なっています。
サンプル画像の比較.1
カメラのJpeg 画像


描写力・再現力を最大化した画像


比較の解説
「大斎原」で撮影した画像です。
カメラのJpeg 画像は全体にフラットです。
例えば、空の表情、森、木々、鳥居、水田、水田に映る風景、水の表情に差があります。
描写力・再現力の最大化した画像は、全体にメリハリがあります。
空の表情、森、木々、鳥居、水田、水田に映る風景、水の表情の臨場感、立体感、質感、テクスチャー、光感、奥行き感の描写、再現ができています。
もっと明確な差を出せますが、適正の範囲内で強調は控えた補正を行なっています。
サンプル画像の比較.2
カメラのJpeg 画像


描写力・再現力を最大化した画像


解説
カメラのJpeg 画像は、全体にややフラットで浅くボリューム、重厚感が弱いです。
描写力・再現力を最大化した画像は、全体的に重厚感があり、メリハリもあります。
一見すると、微妙な差に見えるでしょうか。
しかし、もう少しよく見ると、右下の地面、砂利、その先の奥の森の暗部の見え方、木、葉。
そして、社殿の吊られている金の灯篭?、木材、石段、屋根の質感、テクスチャー、全体の立体感に差があります。
こちらの画像も、もっと明確な差を出せますが、適正の範囲内で強調は控えた補正を行なっています。
サンプル画像の比較.3
カメラのJpeg 画像


描写力・再現力を最大化した画像


解説
カメラのJpeg 画像は、全体的にフラットでメリハリがありません。
描写力・再現力を最大化した画像は、三重塔、石段、地面、石灯篭、木々など、全体の光感が表現されています。
そのため、全体のメリハリ感だけでなく、空と雲のメリハリも描写されています。
また、三重塔の入口の暗部の再現にも差がみられます。
こちらの画像も、もっと明確な差を出せますが、適正の範囲内で強調は控えた補正を行なっています。
サンプル画像の比較.4
カメラのJpeg 画像


描写力・再現力を最大化した画像


解説
カメラのJpeg 画像は、手前の石段がとび気味で、社殿奥の暗部の描写、再現が弱いです。
描写力・再現力を最大化した画像は、手前の石段、社殿奥の暗部の描写、再現ができています。
全体的には、比較しなければカメラのJpeg 画像でもまずまずの出来ですが、描写力・再現力を最大化した画像と比較すると朱塗りや社殿の奥の光感、奥行き感、しめ縄など、全体の描写、再現の高さが違います。
こちらの画像も、もっと明確な差を出せますが、適正の範囲内で強調は控えた補正を行なっています。
まとめ
サンプル画像は、世界遺産「熊野古道」を歩き「大斎原」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」「熊野速玉大社」を参拝した時の画像を使用しました。
多くの方が訪れカメラやスマホで撮影するのではないでしょうか。
一見すると、カメラのJpeg 画像でも十分ではないかと思う方がいるかもしれません。
こうして比較しなければわからないと思われるかもしれません。
しかし、単独で見ても見る目のある方には一瞬で、一目でわかってしまいます。
比較した画像すべてがカメラのJpeg 画像より描写力・再現力を最大化した画像の方が、描写力、再現力が高いことがわかります。
これは、事前にカメラのJpeg 画像を見て描写力・再現力を最大化した画像を仕上げたからではありません。
カメラのJpeg 画像は見るまでもありません。
なぜなら、階調・トーンを最適に補正すれば自ずと描写力・再現力は最大化していくからです。
まず、できるだけ滑らかで美しく豊富な階調・トーンで被写体を撮影し、記録するためには、デジタルカメラの性能が求められます。
画像の色調【再現力、描写力を決める「階調(トーン)」とは?わかりやすく解説】
※ 本稿の画像は、Adobe「Photoshop」を使って、色調補正、編集のすべてを行っています。
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